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そのままの君でいて 16 ページ31

テレビに出た次の日
私はお休みで裕太も仕事は午後から。



裕太とベッドでまどろんでると
スマホが鳴る。



スマホの画面表示されているのは

一成(いっせい)

弟の一成。



「…なんだろ」

呟くと裕太が私の顔に手を伸ばしてくる。



「どーしたの?」

「ん、弟から電話なの」



私の頬をさする裕太は私が電話しやすいように
少し離れてくれる。



相手は弟だし別に構わないのに。



「もしも…」

『ねーちゃん、マジで勘弁して』



一成は食い気味で言う。



「何が?」

『昨日!テレビ見たんだけど』

「……あ」



そうか。

そういえば一成に何も言ってなかった。
裕太の事も含めて。



「え、気づいた?」

『たまたま実家でメシ食っててテレビ見てたら、ねーちゃん出ててビビったんだけど。うちでは俺しか気づいてないよ』

「………そっか、良かった」

『まぁあれくらいならねーちゃんってみんな気づかないだろーね』

「あ、ホント?」



なら良かった。



「ちょうど良かった、私あれから色々あってね」

『うん、色々あったんだろーね。テレビにも出るくらいなんだし』

「………ううっ、ごめん」

『ちゃんと説明して』



ピンポン。

チャイムの音。



…まさか。



『開けて。今日泊まるから荷物置かせてよ』



一成は言う。



「え?」

『出張で泊まるよ、3日間』

「え?3日間も?」

『うん。だから開けて?荷物だけ置いたら仕事行くし』

「えぇっ」

『10分だけ時間もらってんの。早くっ』



手ぐしで髪を整えてベッドから出ると裕太に

「弟、来てる」

声を掛けたら

「えっ!?」

裕太が慌てる。



玄関のドアを開けると

「よっ」

スーツの一成。



「『よっ』じゃないよ!ちゃんと連絡してよ!」

「いーじゃん、別に」



靴を脱ごうとして
裕太の靴に気づいた一成は

「……あ」

靴を脱ぐのを一瞬ためらったけど脱いであがる。



そして部屋に入ると当然部屋には裕太がいて

「はじめまして」

部屋着のまま立ち上がって一成に挨拶する。

「…はじめまして」

一成も挨拶を返す。



「玉森裕太です」

「弟の一成です」



裕太は姿勢を正すと

「お姉さんとは、真剣にお付き合いさせていただいています」

まっすぐ一成を見て言う。



人に言ってるのを初めて聞くから
何だかものすごく緊張したし嬉しくて。



そんな私に気づいた一成が

「ニヤけてんじゃねーよ」

私をどつく。



仕方ないじゃん。
嬉しかったんだもん。

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りさ - shizuさん» わかりました(*^-^*) (2021年3月4日 3時) (レス) id: d9bbc47835 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - りささん» お待たせしました。続編に進みました! (2021年3月3日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続編楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 1時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月19日 1時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月11日 1時) (レス) id: 7618a5cf86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年5月3日 13時

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