拾ってください。4 (ページ22)

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そのままの君でいて 11 T ページ22

今日は久しぶりに
杉山ちゃんとお仕事。

杉山ちゃんも普段はデスクワークだけど
今日は外だからご機嫌。

「ねー、杉山ちゃん」

「何ですか？」

「俺、たくさん仕事したい」

そう言うとびっくりして
杉山ちゃんが振り返る。

「……何したんスか？」

「は？」

「めっちゃ怒られるような事でもしたんスか？」

杉山ちゃんが怯えてて

「玉森さんが自分から仕事するって言うとか何か悪い事したとしか…」

「ぶつよ、杉山ちゃん」

ものすごく失礼なんだけど！

「俺もまだまだ頑張らなきゃと思って」

「…そうっスか」

「バンバン仕事するよー！」

「……今日洗濯物外に干して来たっス。これ以上雨降るような事言うのやめてほしいっス」

どんどん杉山ちゃんが怯えてて
面白くなってくる。

でも間違えてローに入れ車を走らせたりしてるところを見るとからかい過ぎたかな。

「…本当にさ、色んな仕事どんどんしようと思って」

ちゃんと言うと杉山ちゃんは

「そうっスか。なら武田さんに相談しとくっス」

嬉しそうに笑った。

「たまにはお休みも欲しいけどね」

「当然っス」

「でも仕事頑張っていきたいんだよね」

「了解っス」

なんて話してるとスマホが震える。

Aお花ありがとう!
ものすごく嬉しい!

Aからお花の写真と一緒に
LINEが来た。

良かった。
喜んでもらえた。

なら俺も仕事頑張ろう！

その日1日もりもり仕事をして
たくさん盛り上げて

「今日タマ絶好調じゃん」

ミツにも言われる。

「んふふー、ありがとん」

「めちゃくちゃ進行しやすかったよ」

「そー」

褒められて気分も良くて。

仕事が少し遅くなったけど
Aがどうだったか気になって
杉山ちゃんに送ってもらってAんちに行く。

打ち上げに行くって言ってたから
まだ帰ってないかなと思ったら
明かりがついてる。

…早いじゃん。

「ただいまー」

玄関に入ると
俺が送ったお花が飾られてる。

「おかえりなさい」

奥からAが迎えに来てくれる。

Aの帰りが早いのも
迎えに来てくれたのも嬉しくてニヤけちゃう。

「早かったね」

「うん、一次会で帰ってきたし」

手洗いとうがいをしてチュッてキスをすると
Aが嬉しそうに笑う。

「あのね、次の仕事決まったの」

「へー！良かったね」

「…それがね」

言いにくそうなAから告げられた仕事は
俺も出る歌番組と
千ちゃんのピアノの先生の仕事だった。