太陽の当たる場所

夢の途中 20 side 2 ページ40

なんとかAちゃんを
スキューバに勧誘。

Aちゃん喜ぶと思うんだけどなー。



そしたらAちゃんは

「ニカがバイクの免許取るならやる」

なんて俺がバイクの免許諦めたと思って言ってくる。



仕方ないじゃん、その日仕事になっちゃったんだもん。

でも絶対絶対バイクの免許取るんだから！！



「言ったね？約束だよ？」

俺が言うと

「そっちこそ」

Aちゃんは何故かムッとして返す。



って言うかさ。

これってAちゃんは結局
俺と出かけることは問題ないってこと？



ならまぁいいか。

「…よし、じゃあそーゆーことでひとまず明日も早いし今日は寝よう」

納得してAちゃんと自分のコップを洗う。



Aちゃんちは
掃除っぷりや雰囲気で絶対的に信頼があった。

だからなのかよく寝れる。



基本Aちゃんが次の日休みの時だけ行った。



でも仕事で失敗して
なんとなく1人になりたくなかった夜。

突然Aちゃんちに行くと

「………」

ものすごく文句を言いたそうに俺を見た後

「ご飯ないけどいい？」

何も聞かずに家に入れてくれる。



シャワーを浴びた後でリビングに出ると
ビールも用意しといてくれて。

俺が泊まるつもりなのも分かってる。



「『急にどうしたの？』とか聞かないの？」

俺が聞くと

「言いたいなら聞くけど言いたくないならいいよ」

Aちゃんは俺が着てた服やタオルを洗濯しに行っちゃう。

だから特に言わないで
一緒にテレビ見て寝て朝に帰った。




出会った時から優しいなとは思ってたけど



多分Aちゃんって
昔ホントに辛いことがあって
その分ものすごく人に優しいんだと思う。



自分がやりたいことを話した後だから気になった。

将来
Aちゃんはどんな人になりたいのかな。



「ね、Aちゃんは夢ってあるの？」



あれば即答してくれるよな、と思ったんだけど
Aちゃんはしばらく黙っていた。



「あるよ」

少し経ってからAちゃんが言う。



「へーどんな？」

「憧れてるバイクを買うこと」

淡々と言う。



夢の割にすごく淡々と言うよね。

何だか違和感だった。



だって今のバイクだって昔のバイクなのにピカピカだし絶対お気に入りのハズだもん。



でも何だか聞にくい雰囲気。

Aちゃんからの『聞かないで』を
なんとなく感じた。


誕生日の話の時と一緒だな。



「へー！」



納得したフリをして誤魔化す。


でも
いつか教えてくれたらいいな。

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