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夢の途中 15 side 2 ページ30

ルーフバルコニーすごい!

広い!!

そして思った以上に…



「暑い」

「でしょ?」



少し居ると汗かいてくる。

天然岩盤浴だな、これ。



「だから掃除は朝の方がいいんだって」

Aちゃんは苦笑い。



「ごめん。予定狂わせちゃって」

「ううん、家の中あんなにピカピカにしてくれてもん。ルーフバルコニーは次の休みで掃除するよ」



言われて見渡すと
確かにワタボコリや砂埃が溜まってる。



「あ、でもダンスの練習って…」

練習するのがすぐだとAちゃんは思ってるみたいだけど

「あーまだ先っ。新曲出る前とかライブ前とか音楽番組前に来たい!」

当分は大丈夫かな。



「構わないけど…やっぱりここ遠くない?」

「遠くない!大丈夫!」



もう少しAちゃんを知りたい俺としては
なんの問題もないっ。



「…ならいいけど」



すこし困った顔で笑うAちゃんは
バルコニーの端に寄ると

「天気いい冬の朝とかね、あっちに富士山見えるの」

なんて夜は真っ暗で見えないのに指をさす。



「へー」



言われた方に近づいてみると
Aちゃんもついてくる。



「いま下に誰も住んでないからダンスの練習しても問題ないと思うよ」

「あ、ホント?」

「お茶くらいなら出せるし」

「あはは、ありがと」



高速道路なのかバイパスなのか。

その方向に見えた。


ちょうど防音壁が途切れてて車が走ってるのも見える。

そして防音壁がないから音が少しうるさい。
しかもこんだけ暑いと多分この下の部屋の空調効かなそう。



だから下に人が住んでないのかな。



しばらく2人で手すりにもたれて
ぼーっと車が走ってるのを見てた。



車が風を切る音まで聞こえてくる。

たまにトラックの音やバイクの騒音。



うるさいはずなのに
距離もあるからどこか心地いい音。



「…………」



何なんだろう?このAちゃんの空気感。

黙ってても全然苦痛じゃない。
話さなきゃ、とかも思わない。

Aちゃんのそばは何だか落ち着く。



ずっとここに居られる。

何だかそう思った。



どのくらい経ったのか。

ふとAちゃんを見るタイミングと
Aちゃんが俺を見たのは同時だった。



「また来ていい?」

「うん」


間髪入れずにAちゃんが頷いてくれる。

ってことは、ホントにいいんだ。



「ありがと」

「ん」



また前に向き直ると2人で外を眺めてて。




何でこんなに心地いいのか。

この時はよく分かってなかった。

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shizu(プロフ) - 深雪さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい!! 全メンバー目標ですヽ(*´∀`)ノ (2020年5月8日 22時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
深雪(プロフ) - ニカちゃんがニカちゃんらしくて最高です。あの、もしかして全メンバー分書いてくださるのでしょうか?期待しちゃっていいのでしょうか。 (2020年5月5日 23時) (レス) id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - もち?太郎さん» ニカちゃん思いついちゃって全部終わってないのに先に始めちゃいました(笑)どこかでこのアカウントでもコメントいただいてますよー!少しずつ更新します(〃▽〃) (2020年4月18日 16時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
もち?太郎(プロフ) - こんにちはshizuさん!!このアカウントだと多分初コメなんではじめまして!つ、、、ついにですか!?千ちゃんが先かと思ってました!あの、、、めちゃくちゃ楽しみです、、 (2020年4月16日 11時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年4月16日 8時

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