秘めた想い T -side T- 50 ページ42
結局
コンビニではご飯を買わなかった。
Aが迎えに来た時
まだ何も買ってなかった俺にAが
「そんなに悩むならチャーハン作ろうか？」
呆れて言うからデザートだけ買った。
帰り道。
何を話したらいいか急に分からなくなる。
「…なんか喋ってよ」
「玉森くんこそ」
お互い話す事が見つからなくて
結局黙ったままになっちゃう。
だから俺とAの間の手で持っていたコンビニの袋を持ち替えてAの手を取った。
「これなら会話なくてもいーよね」
「…玉森くんってこんな甘い事言うんだ」
「失礼だな！」
ムッとして手を解こうとする俺の手を離さないように
Aがギュッて握る。
「離せよっ」
「嫌っ」
ブンブン振り回す俺の手に
Aが嬉しそうにしがみつく。
こんな顔初めて見るな。
付き合い長いのに。
「…玉森くん」
「なに」
「ありがとう」
ブンブン手を振り回したままの俺にAが言う。
「何が？」
「『好き』って。『付き合って』って。嬉しい」
Aはめっちゃ笑顔だけど
改めて言われた俺は恥ずかしくなって。
「…Aは？」
「え？」
「俺の事、好き？」
自分で聞きながら恥ずかしくなってそっぽを向くと
「好きだよ、LIKEじゃなくてLOVEの方の好き」
さっきの新幹線の中とは違って
今度は嬉しそうな声でAが言う。
Aを振り返ると
ものすごく嬉しそうに笑ってて。
「ふふっ」
つい笑っちゃうと
「何で笑うの？」
今度はAがブンブン腕を振り回してくる。
ものすごく甘い時間。
それを作ってくれてるのは紛れもなくAで。
誤解で嫌な思いさせちゃった分
Aを喜ばせたいな。
「A」
手を振り回したまま声をかける。
「何？」
「後で宮田に一緒に電話しよ」
「いいけど」
「Aが北山さんに言ってくれたみたいに『俺たち恋人同士になりました』って宮田に言いたい」
「……うん」
Aがギュッて俺の手を握るから
俺も握り返す。
きっと宮田は喜んでくれるだろう。
そしてその時にちゃんともう1回言うんだ。
『最初、一番は宮田だったんだよ』
『でもAが宮田を超えちゃったんだよ』
Aの隣で言ったらAはどんな顔をするかな。
想像して笑っちゃってる俺を
キョトンとして見てるAの頬にチュッてキスすると
「ここ外だよ！」
Aは真っ赤になって。
電話の時はもっともっと真っ赤になった。
-END-
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shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます！気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです！ (2020年3月18日 5時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます！気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます！ (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね！続きを楽しみにしています！ (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年11月24日 7時
