検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:167,472 hit

秘めた想い T -side T- 35 ページ27

ワインを思いきり飲んだ俺は
途中で意識が飛んだ。

気がついたら部屋に居て
カバンもちゃんと定位置に置いてある。
服はスーツのままだけど。



……あれ?

どうして家にいるわけ?



起き上がって周りを見渡すとAは居ない。

てことは。



北山さんと一緒にいるのかな。



あー!俺のバカ!!

何酔っ払ってんだよ。



ゴロン、とベッドに寝転がったら部屋の外から足音がする。

慌てて寝たフリをすると部屋のドアが開く。



「玉森くん!スーツがしわになるよ!」

Aの声。



良かった。
北山さんと一緒じゃないんだ。



「玉森くんってば」



Aが呼びながら俺を揺する。

ゆらゆら揺すられて気持ち悪くなっちゃうよ。
やめてよー。



でもそれより何より
Aが居るのが嬉しい。

北山さんより俺を選んでくれたってことだよね。



「んーー」



もっと近くに来てよ。

Aの腕を引っ張ってみる。



「わっ!」


Aがよろけて俺に倒れてくる。



その時にフワッと香る柑橘系のいい香り。
俺が好きなAの香り。



北山さんに取られたくない。

俺のそばにいてよ。



勇気を出して

「Aも寝よ」

名前で呼ぶ。
緊張して声が掠れる。



A、って
名前を口にしただけなのに愛しさか溢れて。

Aの髪を撫でる。



ヤバい。

好きだ。



Aが好き過ぎて気持ちが止まらない。

抱き心地も良すぎる。



抵抗してたAもふと力が抜ける。



深呼吸するとAの香りがする。

「あーいい匂い」

「何がっ!?」

「Aの香り大好きなのー」



幸せだな。

気持ちいいな。



そう思ったのが最後の記憶。



次に気がついた時は1人で寝てた。



リビングに向かうとAがソファで寝てる。

着替えてるしシャワーも浴びたみたい。
すっぴんの少し幼い顔。

まつ毛が濡れてる。
あくびでもしたのかな。



ほっぺを触るとふにふにで柔らかくて気持ちいい。



「A」

小声で呼んでみる。



けど返事は無い。

週末だし酔っ払い2人の相手して疲れたかな。



「好きだよ」



いつか起きてる時にも言うけど。

Aは俺の事なんとも思ってないでしょ?
だからまだ言わないね。

小声で言ってそっとほっぺにキスをする。



スーツを脱いでシャワーを浴びて着替える。



Aのとこに行ったら当然まだ寝てて。

寝顔が可愛くてしばらく眺めていた。




この顔は俺だけに見せてほしい。

他の誰にも見せてほしくない。

秘めた想い T -side T- 36→←秘めた想い T -side T- 34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (240 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
589人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。