すぐ近くにいる another story 4

秘めた想い T -side T- 22 ページ14

寝て起きると
2人がもたれてるのがさすがに重い。

しかもAの腕も乗っかってるし。



ただその俺に回ってるAの腕がなんか嬉しくて。
俺もAに回した手でAの頭を撫でた。



そしたらAが起きちゃって。
俺に抱きついて恥ずかしかったのか慌ててるA。

でも照れてるAに何だか俺まで照れてきた。



お腹空いたな、って言うと
いつもなら下のコンビニに行くのすら着替えて行くのに
部屋着のままキッチンカーまでサンドイッチ買いに行っちゃうA。



見送って少しすると宮田が

「んー…たまぁー」

呼ぶから

「何だよ」

返事をしたけど無反応。



あれ？



「宮田？」

顔を覗き込むとまだ宮田は寝ていて。



てことは寝言か。

寝言で俺を呼ぶとか可愛い過ぎかよ。



気持ち良さそうに寝てる宮田が可愛いくて
寝顔をしばらく眺める。



…あー、やっぱり宮田好きだな。



好きになってごめんな。

でも宮田とどうこうなりたいわけじゃなくて。
単に宮田と笑って過ごしていたいだけだから。



好きなことくらい許して欲しい。



バレないように音を立てずに頬にキスをした。

なんだろ、幸せだな。
思わず笑っちゃう。



時に視界に何かが横切って。



え？って顔を上げるとAとバッチリ目が合う。



あ、やべ。



つーか、引くよな。



けどAは最初に少し驚いた顔をしたけど
すぐにいつもの顔になって全く変わらない。

宮田が起きた後も変わらない。



「宮田くん、例のサンドイッチのキッチンカー来てるから買ってくるけど何がいい？」

「えー！食べたいっ。タマゴかお肉系が入ってるやつがいいな」

「うん、分かった。玉森くんは？」



ほら、Aは何も変わらない。

何で？
普通引くだろ。



Aに何を思ったか聞きたくて
キッチンカーまでついて行くことにした。



宮田とキスしたことを引いてないか聞いてもAは至って普通だった。

「引く？なんで？」

逆に聞かれるとは思ってなくて面食らう。



「…だって相手男だよ？」

「うーん、まぁ驚かなかったら嘘になるけど。宮田くんが相手って分かったら前に言ってた好きな人の話が納得いった」



淡々と答えるA。



ほら、やっぱり俺を否定しない。
コイツすごい。



「…ホントにそう思う？」

「うん」

「俺の事気持ち悪くない？」

「全然。むしろ今まで辛かったよね」



そうAに言われた時。






俺はホッとして本当は泣きたくなった。

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