好きすぎるから 3 ki ページ42
話の流れから
皆でトランプをやることになって
ババ抜きが始まる。
10人以上だから全然終わらない。
でも何だか異様に盛り上がって
たまに会話をしながら
延々とババ抜きをしていた。
途中から藤ヶ谷が時計見てソワソワしてるようだけど
酒井ちゃんが来ないから帰れなくて。
トランプを落としたフリして藤ヶ谷の近くに行くと
「藤ヶ谷先に帰るか？」
タクシー呼べばいいしと思って声をかけたけど
「…大丈夫だよ」
場の空気を気にする藤ヶ谷はそう言う。
「藤ヶ谷さん顔色悪くないですか？」
戻ると例の子も気にしてくれて。
なんだ。
そういうの気づける子なんだ。
「んー気のせいだよ」
気を遣わせるのもと思って答えると
「そうですか？」
って疑ってて。
この子この仕事向いてるかもな、なんて思いつつ
それにしても酒井ちゃん遅いなーって気になってた。
1時を回る頃
「お迎えの方がお見えになりました」
なんて声がようやく聞こえた。
1番負けてたのが俺の隣の子だったから
「全然勝てなかったんですけど」
って少し悔しそうで。
「まぁまぁ。それにしても最初の頃よりだいぶ笑ってるじゃん？」
「え？」
「藤ヶ谷に気づけたのもすげーじゃん。向いてるよ、この仕事。後は慣れじゃない？」
そう言うと
「…ありがとうございます」
何だか子供みたいに嬉しそうに笑ってるから
頭をポンポンする。
「じゃ、帰りますか」
最後に買った横尾さんが言うから
「横尾さんずりぃーよー！勝ち逃げかよー」
その子の頭を撫でたまま言うと
「もういいじゃん、運だよ運」
なんて笑ったあとで驚いた顔をしてる。
え？と思って横尾さんの視線をたどると
その視線の先にはAがいて。
「遅くなってすみません」
って言うと一緒に飲んでたスタッフさんのそばで何やら話をしてて。
多分会計について相談してるんだろう。
あれ？
酒井ちゃんじゃないの？
てかこの状況。
俺ほかの子の頭撫でてますけど。
でも急に引っ込めるのもおかしいか？
なんて思いながら手のやり場に困ってた。
スタッフさんと話し終わったAは
「車回してくるんで」
って近くにいた横尾さんに声を掛けると
俺を見ずに出口に向かう。
「…北山さん大丈夫ですか？」
隣の子が言う。
「ん？平気だよ？そんなに飲んでないし」
「いえ、顔色悪いですけど」
「……そう？」
とぼけたけど少しだけ焦ってるのは事実。
この子やっぱ向いてるかもね。
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shizu(プロフ) - haru070917さん» コメントありがとうございます！最近更新頻度落ちてますが細々続けますのでまた是非読みに来てください (2019年9月12日 22時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
haru070917(プロフ) - とても面白いです。みっくんとても可愛くてかっこ良く書けてますよ、続き待ってます。 (2019年8月30日 10時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年8月18日 21時
