ないしょとヒミツ 25 ページ23
玉森さんは泣き出した私に
「その涙を拭くのは俺じゃないもんね」
そう言ってタオルを貸してくれた。
「拭くのはセルフサービスでーす」
「ありがとうございます」
受け取って涙を拭う。
そんな私を玉森さんは優しく見守ってくれた。
「んふふふ、じゃあ俺はこれで」
「助かりました」
「お大事にねーん」
玉森さんが帰って少ししてから鍵を掛ける。
…ちゃんと守ってるよ、宏光。
でも宏光はまだ怒ってるかな。
そう思ったら熱のせいか涙腺が緩くて涙が零れる。
涙を拭いながらリビングに向かうと
さっきの打ち合わせを纏めて議事録を作って宏光の社用スマホに送る。
少しすると
北山さんきゅ
返信が来る。
いつもこんなメールだから
怒ってるのか怒ってないのか分からない。
…もういいや、寝よう。
顔と足だけ洗うと汗をかくために厚手のスエットを着て布団に入る。
何だかとても宏光が恋しい。
また涙が溢れてきた。
これは熱で相当弱ってるな。
近くにあったのが玉森さんから借りたタオル。
申し訳ないと思ったけど取りに行くのがしんどくて
溢れた涙をそのタオルで拭うと
枕元に置いてそのまま眠る。
熱のせいか夢見も悪くて
やたらと宏光に冷たくされる夢を見る。
「お前マジでめんどくせーよ」
夢の中の宏光はすごい冷たい顔で。
でももうどうしていいのか分からない。
ウザがられるのが怖い。
少しして額にひんやりする感覚。
うっすら目を開けると宏光が居る。
目が合うと笑ってくれた。
あれ？
さっきの冷たい顔が現実の宏光で
こっちは夢の宏光？
よく分からなくなってきた。
「ひろ…みつぅ？」
どっちが現実？
恐る恐る声を掛けてみると
「ん、ただいま」
頭を撫でてくれる。
さっき私あんな態度だったのにものすごく優しい。
これは夢かな。
どっちか分からないけどとにかく私熱あるし。
慌てて布団に潜る。
「どしたー？」
「いま私熱あるんです」
「だろーな」
言いながら宏光は布団を引っ張る。
「様子がおかしかったから」
そう言って笑う宏光が優しくて
「…ごめんなさい。私すごく感じ悪かったよね」
素直に謝れた。
「や、俺も感じ悪かった……ん？」
宏光が枕元の玉森さんのタオルに気づく。
「これタマの？」
「あ…はい」
頷くと宏光はものすごくムッとした顔。
「さっきの態度よりこれが1番ムカつくっ！」
そう言って布団の上にのしかかってくる。
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shizu(プロフ) - haru070917さん» コメントありがとうございます！最近更新頻度落ちてますが細々続けますのでまた是非読みに来てください (2019年9月12日 22時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
haru070917(プロフ) - とても面白いです。みっくんとても可愛くてかっこ良く書けてますよ、続き待ってます。 (2019年8月30日 10時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年8月18日 21時
