拾ってください。2

Flamingo 23 T ページ44

石井さんによると
Aはお見合いが嫌で
帰ってないってゆーけど。

ならなんで会えないなんて言ったわけ？



「あの子の面倒なとこ出たわねー」

石井さんは笑う。



「え？」

「一度予定してたことがダメになるとすぐ拗ねるの」

「あぁー…」



そういや前にもそんなことあったな。

その時は無理矢理押しかけたけど
今回は実家に帰るって思ってたからしつこく聞かなかったもんね。



「ミスったー」

「あはは、裕太くんは悪くないわよ！あの子だって残念そうだったから今頃後悔してるから」

俺のリアクションに石井さんが笑ってる。



そうだといいけど。



「そろそろ行かなきゃ」

「…あぁ、ごめんなさい」

「いーのいーの、どうしても困ったら連絡してきて」



石井さんは名刺をくれる。



「もし良かったら連絡先交換していいですか？」

「あらいいの？」

「ピアノのことで少し相談したいことあって…」

「ピアノで？なら喜んで！」



スマホを振りあって連絡先を交換して別れるとミツマネが来る。



「玉森さん、そろそろ時間です」

「あーい」



ミツマネについて行きながらアンケートの量を聞かされる。
質問数だけで300あるらしい。



「そんなにあんの！？」

「同じ質問纏めたら半分くらいには減ると思いますけど」

「えぇー…」

でも絶対簡単じゃない質問もあるよね。



「1人でやりますか？お手伝い必要ですか？」

「絶対！手伝って！！」

普通に答えたらいつも杉山ちゃんに『こんな答え使えないっス！』って怒られたし。



ミツマネんち近いんだから一緒に家でやればすぐ寝れるしいいと思ったんだけど反対される。



…やっぱり彼氏いるな、コレは。



明日アンケートの回答で遅くなるなら
やっぱり今日Aに会いたかったなー。



そう思って電話をかけたら
普通に出てくれて。

明日遅くなっても行っていいって言う。



『何か食べたいものとか必要なものある？』

「へ？」

『夜食食べたいとか飲み物欲しいとか』



昨日はそんなこと聞いて来なかったのに。

どうしたんだろう？



「んー、Aが居ればいい」

『えっ？』

「Aをめっちゃ抱っこできれば何もいらない」

『……裕太いまどこ？おうち？』

「んん？お仕事の休憩できるとこ」



一応周りに人は居ないけど。



『恥ずかしくない？私おうちでも恥ずかしいんだけど』

「ぜーんぜん」

ホントのことだし。



『じゃあ、普通に待ってるね』



照れてるAが可愛い。

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