期間限定。 M -side M- 2 ページ4
少しした頃。
皆とお昼に出ようとして振り返るとフロアには課長とAさんだけになりそうだった。
これはチャンスかな。
俺はエレベーターを降りたところで
「みんなごめーん、財布忘れた！先に行ってて！」
ブーイングを浴びながら戻ると事務所の入口で人にぶつかる。
「ごめんなさい！」
Aさんだった。
彼女は本当に泣きそうで、そのすぐ後ろには平然とした顔の課長。
本当に悪びれていない。
…こういうことか。
Aさんに聞いても否定するけど
数日観察しただけで疑惑は確信に変わる。
でも証拠も手段もない。
困った俺は人事や総務に居たことがある
同僚のタマこと玉森裕太に電話した。
『なんだよ、宮田のくせに随分ご無沙汰だったじゃねーか』
「ごめーんタマ。実はそっちにある資料で欲しいものがあってさ」
『は？随分生意気だな』
「実はさ…」
俺が事情を説明するとタマの声がだんだん真剣なものに変わってくる。
『…分かった、朝イチで対処法や事例の資料送る』
「ありがとう！助かる！！」
『宮田のためじゃないし。その子のためだし』
「どっちでもいいよ！ありがと！！」
さすがタマだな！
お礼を言って電話を切ろうとした。
『てかさ、その子大丈夫？』
タマが言う。
「ん？」
何がだろう？
『聞いてる限りさ、会社に誰も味方いなくない？』
「…あ」
確かに見てる限り常に1人だ。
『そんな子が会社に辛いなんてただでさえ言い出せないだろうね。ホントは相当辛いんじゃない？』
「……そうだね」
俺は困った時にこうして頼れるタマみたいな同僚がいる。
でも確か彼女の同期は退職しているはず。
となるとAさんは本当に1人なんだ。
俺が助けなきゃ。
電話を切ると検索サイトで夜中までハラスメントの対応や本人に対してどう接するべきかを調べた。
何でだろう？
すごく彼女が気になっていた。
次の日出勤するメールでタマから沢山資料が来ている。
送付時間を見ると朝7時台だ。
早く出勤してすぐ送ってくれたんだ。
すごく有難い。
資料を読みながらコーヒーを飲んでると
業者さんがAさん宛に来ていた。
「この前の見積のミス間違えに気付いてくれてありがとね」
「いえ、間に合って良かったです」
なんて言って笑い合ってる。
そのAさんの笑顔がものすごく優しくて。
いつかその笑顔を俺にも向けてくれないかな。
なんて思いながら眺めていた。
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もち?太郎(プロフ) - shizuさん» いえいえ大丈夫ですっ！！移行先行ってまいります！(笑) (2019年11月3日 8時) (
レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - nanacoさん» コメント気づいてなくてごめんなさい。どんどん長くなってて短編の予定が止まらなくなってます (笑）ようやくゴール見えてきました。 (2019年11月3日 4時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - もち?太郎さん» コメント気づいてませんでした！遅くなってごめんなさい。北横ホント好きで。見ててほっこりしちゃいます。 (2019年11月3日 4時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - あーっ、やっぱり渉は主人公のことを好きだったんだ！｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡先が楽しみすぎます、優しい横尾さん好きすぎます笑 (2019年9月2日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
もち?太郎(プロフ) - shizuさん» うへへ。嬉しいです(笑)また舞祭組ちゃんかな？(笑)北横はなんだろう。横千以上に親子(笑) (2019年8月31日 19時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年8月12日 8時
