嘘だらけの婚約者 Y 16 ページ29
まだ諦めきれてないのか
「本当に大丈夫？渉の言いなりになってない？」
渉のお母さんは心配そうに聞いてくる。
さすがに渉が面白くなさそうな顔をしてて笑っちゃう。
「全然です。普段は私がワガママ言ってますから」
最近は渉に甘やかされ放題で
私は居候の身分なのに『お風呂先に入りたいー』だの『夕飯はオムライスがいいー』だの『エアコンの温度が適温にならないー』だの言いたい放題で。
優しい渉は『あーもうめんどくせー』って言いながら全部言う事を聞いてくれている。
「でもー…」
まだ不満そうな渉のお母さんに渉がうんざり気味だけど
「母さん。あんまりAさんを困らせちゃダメだぞ」
ってまさかの渉のお父さんからの助け舟。
渉のお母さんとお祖母さんが横尾家最強なんだと思ってたから
お父さんが発言したことに驚いたけど
「…はーい」
渉のお母さんが少ししょんぼりしながらお父さんの言う事を聞いてることにさらに驚いた。
そして2人が帰った後
「…サンキュ」
渉が小声で言う。
「ううん」
何でかいつもみたいに『家賃光熱費の一環ですから』とは言えなかった。
「なんか嬉しかった」
渉がボソッと言う。
「ん？」
「傷つけない言い方してくれたり父さんにも気を遣ってくれたりさ」
「そう？」
「うん」
すごく優しい顔で渉が私を見てる。
ドキッとしたけど。
「あれだけワガママ言っても全部聞いてくれてるんだから大切にされてないって言ったら嘘でしょ」
空気を変えるために茶化して言う。
「ワガママって自覚あったのかよ！」
「そりゃあるでしょ」
「じゃあ減らせよ」
言いながら渉が笑ってる。
渉の笑ってる顔が見てて落ち着く。
あぁ、この顔見られるなら
嘘つくのも悪くないな。
でもそんな気持ちをバレたくないから
話題を変えることにした。
でも咄嗟に出てこなくてさっきの会話の中からなにかを、と思って出てきたのがウェディングドレスの話で。
ふと思いつく。
「渉ならタキシードより袴かな」
「ん？」
「結婚式挙げるなら渉は袴がいいなって」
言ってから後悔した。
自分から言い出したけど私が決して見ることがない姿だって気付いて。
だって私は嘘の婚約者なんだから。
「それを言うなら俺もAの白無垢見たいけどなー」
「え？」
「絶対Aは和装似合うよ」
そう言ってまた優しく笑うから
嬉しくて泣きそうになった。
勘違いするじゃん。
渉のバカ。
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もち?太郎(プロフ) - shizuさん» いえいえ大丈夫ですっ！！移行先行ってまいります！(笑) (2019年11月3日 8時) (
レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - nanacoさん» コメント気づいてなくてごめんなさい。どんどん長くなってて短編の予定が止まらなくなってます (笑）ようやくゴール見えてきました。 (2019年11月3日 4時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - もち?太郎さん» コメント気づいてませんでした！遅くなってごめんなさい。北横ホント好きで。見ててほっこりしちゃいます。 (2019年11月3日 4時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - あーっ、やっぱり渉は主人公のことを好きだったんだ！｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡先が楽しみすぎます、優しい横尾さん好きすぎます笑 (2019年9月2日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
もち?太郎(プロフ) - shizuさん» うへへ。嬉しいです(笑)また舞祭組ちゃんかな？(笑)北横はなんだろう。横千以上に親子(笑) (2019年8月31日 19時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年8月12日 8時
