俺を拾って下さい 6 ページ12
「これがいい」
そう言って楽譜の中から裕太が選んだのは
ドビュッシーの『月の光』
…懐かしい。
昔よく弾いてたなー。
「…じゃあ」
ピアノに向かう。
一昨日からピアノ弾いてないな。
少し緊張する。
楽譜を一応広げるけど多分見ないでも弾けるかな。
弾き始めると
やっぱり指が覚えてる。
楽譜をほぼ見ないで弾けた。
懐かしい。
たまに弾いてたもんなー。
4分くらいの曲だけど飽きるかなと思って所々のタメは短めにした。
弾き終わって裕太を見ると目を丸くして私を見てる。
「……すごい」
しばらくして裕太が言う。
「すごーい！！え！！めっちゃ感動なんだけどっ！」
顔を真っ赤にして興奮しながら
すごく拍手をして言う裕太。
思い出す。
ただただピアノを弾くのが楽しくて
弾くと家族皆が喜んでくれてた時のこと。
弾けなかった曲が
弾けるようになった時の嬉しい気持ち。
おばあちゃんが遊びに来た時にピアノを弾くと
練習する私の横にずーーーっと居て
嬉しそうにニコニコしてたこと。
演奏会での会場が割れんばかりの拍手。
裕太の純粋に喜んでくれてる顔を見たら
ピアノ弾くの楽しいな。
久しぶりにそう思った。
「裕太」
「なにー？」
「ありがとう」
「え？」
「裕太のおかげでピアノ好きなこと思い出した」
すごく好きだ。
ピアノが。
どんな形かは分からないけど
またピアノが弾きたいって思えた。
「ホントにありがとう」
本当に心から言った。
そんな私に
「俺なんもしてないよ？」
そう言って照れてる裕太。
「ううん、裕太にピアノ弾いたら思い出したから」
ピアノに対して前向きになれた。
こんなこと久しぶり。
なんならコンクールの時よりピアノ弾きたくなってる。
「ピアノ嫌いになってたの？」
「そうじゃないんだけど…」
私は今の状況を話した。
あと2年で結果を出さないといけないこと。
なのにこの前コンクールで予選落ちしたこと。
それから3日間何もする気が起きてなかったこと。
教えるのに集中するか演奏に集中するか決める時だって思ってること。
弾くのも教えるのもどっちも楽しいけど
コンクールは苦手なこと。
でも弾くにはコンクールで優勝しないと
ハクがつかないから何も出来ないこと。
裕太はただ黙って聞いててくれた。
そしてしばらくして
「それならさ」
裕太が言う。
「俺のために弾いてみない？」
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もち?太郎(プロフ) - shizuさん» あら。まだガラの子いるんですね。びっくり...で私。ならガラケー使ってること知ってるならラボンて教えていいのではと思ったのですが。ドラッグストアで玉ちゃんがポスターみたいなのにいたらばれますか...と(笑) (2019年9月14日 20時) (
レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - もち?太郎さん» さすがにガラケーじゃないとニュース開いたら絶対玉ちゃんに気づくし。私の周りに未だ頑固に携帯の子が1人だけ居ます。絶対不便だと思うんだけどなー…。 (2019年9月14日 17時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
もち?太郎(プロフ) - shizuさん» ほほー..え。ガラケー？え。ぐーぐ。えやh...えぇ... (2019年9月14日 2時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - もち?太郎さん» 端末が違うんですね！なるほど！ ベタな展開ですが気付くのはもう少し後の予定です。ちなみに彼女の携帯は特に出てきてませんがまだガラケーなんです。 (2019年9月8日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
もち?太郎(プロフ) - あ。すみません！何気なくこちらで返信したのですが新しい端末です..(汗)咲良の方は壊れてしまったので...^^; (2019年9月3日 1時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年7月15日 12時
