サイボーグな彼女 8

わからない？ 3 ki ページ42

合宿の日。

銀座で降ろしてもらうとAんちで過ごすルームウェアとAが好きそうなアイスを買う俺。

さすがに11月は半袖にAの上着でも寒くなるし
これから月2回寝れるならちゃんとしたの欲しいし。

そう思ってAに買ったルームウェアのメンズ版のやつを買う。



「ただいまーっ」

Aんちに行くと由紀さんが「Aちゃんにあげるー！」って言ってた土鍋。

そして美味しそうな肉。
なんと今日はすき焼きだって言う。



Aが俺のテンション上げてくれようとしたことと…



アンケートものすごく大変なんじゃね？
って予感がする。



リビングに向かうとアンケートと雑誌の山。

なるほど、これはやべーな。



俺が見たことがない雑誌が何冊かあってこーゆーとこありがたいなってめちゃくちゃ思う。



雑誌を手に取ろうとしたらバイブの音。

Aの社用スマホ。
画面を見ると『宣伝 炭谷』



なんとなくピンとくる。
………コイツ元カレかな。



俺は慌てて雑誌を取ると広げて

「あれ？A電話じゃね？」

雑誌を見ててなんとなく気づいたフリをする。

「はい」

Aが受け取ると少し嫌そうな顔。
ってことはやっぱり何とも思ってないってことでいい？



「はいAです……はい」

テレビがついてたからか少し離れて電話するA。



最初は普通に受け答えてるみたいだったけど
声が低くなって
「行かないです」とか「メールと電話とオフィシャルで済む話以外に有りますか？」とか「その質問は不要かと存じますが」塩対応を通り越した冷たい声。

…これって本当に嫌なんじゃ…。
しかも相手、多分Aを誘ってるよな。




電話を終えたのかこっちに戻ってきた時の顔が完全に死んでる。



「どした？」

出来るだけいつも通り声をかける。



スマホを置きに来るAが本当に辛そうだったから思わず手を広げた。

無意識だった。



そしたら少し躊躇ったあとAはテーブルにスマホを置いたあと俺の胸に飛び込んでくる…



と思ったら


すとん、と隣に座った。



…飛び込まないんかいっ！



「なんかあった？」

頭を撫でてみると

「あったっていうかなんて言うか…」

そう言ってAは俯く。



「言いたくねーならいいけど、聞いて欲しい時はいつでも聞くぞ？」

そう言って声を掛けたらゆっくり顔を上げるA。



「後で聞いてもらってもいいですか？」

「…ん」

頷くとホッとした顔でAが俺を見て俺も安心する。

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