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ヤマアラシな彼 2 8 ページ8

「だぁーってダルくない?外行って疲れてんのに先輩にもヘコヘコして後輩の面倒見て。1人になりたいっつの」

しばらくして少し…いやだいぶ酔いが回ってる様子の二階堂君。
もはやタメ語で話してる。
私は君の5個上なんだけど。



「あははー、そうだね」

もう愛想笑いしか出来ない。



…なんだこのキャラ変。



「なのにAさんは定期的に見に来るしさー」

「二階堂君みたいな人が居るからだよ」

「えぇーっ俺メイワク?」

言いながら何だか楽しそうに笑ってる。



「でもさ、思えばしょっちゅう声掛けられたけどAさんから声掛けられるのは嫌じゃなかったんだよね」

「よく言うよあんな態度取ってたのに」

「あはは、だよね」



言ってビールを飲み干す二階堂君。



「あの頃俺女性不信だったの」

ビールを注文しながら二階堂君は言う。

「女性不信?」

「そ。付き合ってた彼女に浮気でフラれて」

「へー。だとしたらだいぶとばっちりじゃん私」

「…それはもうごめんなさいなんですけど」

冷たく返す私に二階堂君は申し訳なさそう。



「でも正直今も女性不信だよ」

二階堂君は私を見て不満そうに言う。

「なんで?」

「Aさん、会社の顔と今と全然違うもん。どっちが本当のAさんなの?」

半分睨みながら聞いてくる二階堂君。



…それは難しい質問だなー。



「どっちも私だよ」

「は?」

「会社ではあの顔をしないと仕事回らないもん。あの顔もこの鼻からタバコの煙出す顔もどっちもいないと私にはならないかな」

「鼻からは出てなかったよ、安心して」

「あ、ホント?良かった」

…良かったっていうのもなんか違う気がするけど。





「元カノがさー、この前今の彼氏といるとこ見た時に初めて見る顔してたの。だから『あー、俺とは無理して付き合ってたのかなー』なんて思って」

二階堂君が遠い目で言う。



「そうとも言い切れないよ」

私は言いながら前の自分を思い出す。



「え?」

「二階堂君のこと好きだから、よく見られたくて無理してたのもあるんだと思うよ」

「…そーなの?」

「私は前お付き合いしてた人にそーゆーとこあったな」

「へーー」



「逆に二階堂君は?彼女と自然だったの?」

私が聞くと考え込んでる。



「…微妙かも」

「え?」

「なんか今思うと好きとかよく分からないけど付き合ってたし、全部の顔どころか何も見せずに相当無理して付き合ってたかも」



マジでか。
…何だか二階堂君の闇も深そう。

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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます!私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします! (2019年4月10日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年4月1日 8時

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