お隣りさん S -side you- 6 ページ39
「あー重かった！」
健永をまるで投げるように
ベッドに横たわらせた藤ヶ谷さん。
でも健永は起きる気配がない。
相当酔ってるみたい。
お酒弱いのに。
いつもはカクテルだって1杯飲むかどうかなのにどうしたの？
「…そんな顔してるってことは健永のこと心配？」
藤ヶ谷さんが言う。
「はい」
やっと顔を見れた。
それだけで泣きそうなくらい。
「もしかして健永のこと好き？」
「……はい」
そう答えると涙が溢れる。
「あーあー、泣かないでよ俺が泣かせたみたいじゃん」
我慢しながら泣いたらしゃくりあげちゃって
藤ヶ谷さんが背中をさすってくれる。
「最近健永も泣いちゃってさー、それこそ俺が泣かしたみたいになって」
「健永が泣くんですか？」
健永が泣くとか珍しいなって一瞬だけ思ったけど
考えてみたらデリケートな性格だし
確かに涙脆いのかもしれない。
「あはは、超泣くよ。この前『今日のわんこ』でも泣いてたから」
そう言う藤ヶ谷さんが笑ってる。
それは泣きすぎでは？
「ここ数日俺の家に泊まってて一緒に居たんだよ」
「…そうなんですね」
だから会えなかったんだ。
「安心した？」
「はい」
「そっか」
私が頷くと優しい顔で私を見てる藤ヶ谷さん。
「連絡したけど返事がなかったんで…」
「あー！そうそう、健永先週俺と飲んだ日に携帯落として壊してるから」
「え！？」
「でも携帯要らないって言って修理にも行ってないから」
そう言って藤ヶ谷さんは「よいしょ」って言いながらカバンを持つと
「もし良かったら健永が起きるまでここに居てあげて？そしたらAちゃんも健永に逃げられないよね」
そう言ってウインクする藤ヶ谷さんはものすごくカッコイイ。
「健永、嫌がりませんかね」
避けてる対象が家に居るって
嫌じゃないかな。
そう言うと
「嫌がったら『こんなに心配かけてどの面下げて言ってんだ』くらい言って大丈夫」
ニコッて笑って藤ヶ谷さんが帰っていく。
残された私は健永の寝顔を見つめる。
…お酒飲みすぎてるからかものすごく苦しそう。
せめて少しても楽なように。
私は一度家に戻ると冷えピタと未開封のミネラルウォーターを用意した。
冷えピタを貼って寝顔を眺める。
…健永のバカっ。
飲めないのに無理して。
涙が止まらなくなる。
そのうち昨日からの疲れで
健永のベッドのすぐ横で
ベッドに突っ伏しながら健永の寝顔を眺めてたらホッとして眠ってしまった。
お隣りさん S -side you- 7→←お隣りさん S -side you- 5
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます！私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年4月10日 5時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shizu
| 作成日時：2019年4月1日 8時
