お隣りさん S 4 ページ29
いつものように俺の家で買ってきたものを半分に分ける。
結局ご飯に行くか行かないかの結論は出ないままうやむやになっていた。
突っ込んでいいのかなー。
「終わったよー、ありがとう」
半分こを終えたAちゃんが言う。
「ううん、こっちこそありがと。しかも全部切ってもらっちゃったし」
「全然。お仕事忙しかったみたいなのにごめんね」
違うんだよ。
Aちゃんのこと考えて仕事遅くなったんだよ。
そんなこと言えないから
「また半分こしよーねー」
そう言って苦笑い。
玄関まで見送ってバイバイしようとしたら
外に一歩出て自分の部屋の方を見たAちゃんが戻ってきてドアを閉める。
その顔が完全に青ざめてる。
「え？どうしたの？」
「あの…健永くん、もう少し居ていい？」
「構わないけど…どうしたの？」
「……元カレが来てて」
「え？」
その割には少しだけ嬉しいような顔をしていて。
ズキッて心が痛くなる。
…何だ？この胸の痛み。
「あの、でももう終わってて。と言うか、終わらせられてて、って言うか…」
言いながら半泣きになってるAちゃん。
会いたいの？
会いたくないの？
分からないから少し困ったんだけど。
Aちゃんも困った顔をしていたから
「とりあえず、上がって？」
部屋にもう1回上がってもらった。
話を聞くと、
彼氏さんとは一緒に住んでたんだけど
ある日出張の予定がキャンセルになったから帰ったら彼氏さんが女の人を連れ込んでいたらしい。
しかもその子がAちゃんと同じ職場の子だったとか。
その足でマンスリーマンションを契約して家を出た後、職場にも退職願を出して引き継ぎ後に円満退職して
マンスリーマンションの契約が切れるタイミングで仕事を決めてからここに引越してきたらしい。
すごい行動力。
最低限のものしか持たずに出てきたらしい。
だから引越しもすぐに終わっちゃったんだね。
「元カレ、最低な人なんです」
Aちゃんは泣きそうな顔。
口ではそう言ってるけど俺には違和感があった。
「でもその割にはさっき少し嬉しそうにも見えたよ？」
「……えっ？」
Aちゃんが少しドキッとした顔。
そして俺はまた少しズキッとする。
「Aちゃんさ、ホントは迎えに来て欲しかったんじゃないの？」
「そんな事ないっ！」
そこは食い気味に答えるAちゃん。
「…でもどうしていいか分からない」
複雑な顔をしてるAちゃん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます！私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年4月10日 5時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shizu
| 作成日時：2019年4月1日 8時
