ヤマアラシな彼 2 2 ページ2
さっそく次の日。
私は朝早く出勤して「集中ブース」にPOPを付けた。
『最大利用時間は3時間まで』
よし、これでOK。
9時にその『集中ブース』を見に行くと昨日の営業部の男の子がまた使っていた。
…またこの子？
まぁ午後には空くってことだよね。
ところが昼休み明け13時に『集中ブース』に行くとまだその子が使ってた。
…これは声を掛けていいよね。
「あの」
「はい？」
その子が振り返る。
泣きボクロが可愛い男の子だった。
「あなた、午前中も居ましたよね。3時間経ったから場所変わって下さい」
これで解決すると思ったら。
「…俺、3時間で1回離れました。1時間経ってもまだ空いてるからまた使ったんですけど」
ものすごく嫌そうに私に言う。
「え？」
「だって1時間誰も使ってなかったですよね」
「…多分それ昼休みだったからですよね」
「でも何処にも2回使っちゃダメって書いてないですけど」
POPを指さして言うその子の言葉に面食らった私が言い返せずにいると
「すいません、僕集中したいんで」
って背中を向けられた。
…ほーう。
そう来たか。
こうなったら。
私は翌朝POPを追加した。
『1人1日最大3時間まで』
『1時間離席する時は荷物を動かして下さい』
『このスペースは1席しかありません』
『譲り合って使って下さい』
これでよし。
今度こそ解決。
9時に覗いてみるとまた『集中ブース』にその子がいる。
でも午後になったら空くだろうからいいか。
そう思って午後に行くとその子は居なかった。
あー、解決した。
そう思って今度はその『集中ブース』の準スペースである『コツコツブース』という『集中ブース』ほど静かじゃないけど1人で仕事出来るスペースに向かうとその子が居た。
…あれ？
「あの」
思わず声をかけた。
「…何ですか？『集中ブース』ならどきましたけど」
その子が面倒くさそうに振り返る。
「今度はここですか？」
「…『集中ブース』使ったらここを使っちゃダメなんて何処にも書いてないですけど」
「えぇ、それはさすがに書かないんですけど」
ただここも何時間も居られたら厄介だなと思ったからPOP作ろう、とは思った。
「そんなに1人がいいですか？」
「事務所の中くらい1人で過ごさせてもらっても良くないですか？」
質問に質問で返す泣きボクロ君。
再び私に背中を向けると何事もなかったかのように仕事を再開した。
…ほう、そう来たか。
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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます！私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年4月10日 5時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年4月1日 8時
