この想いの結末は 8

泣かせ過ぎ ページ7

いままでの泣き方と全然違って大泣きしてるA。
泣き声を我慢してる感じが本当に辛そうで俺まで辛くなってきた。



「俺、泣かせ過ぎだね」

頭をぽんぽんすると首を振るA。



「私が泣き虫なのっ」

「あはは、またそうやって我慢するー」

ここまで来て強がってるAが可愛い。



…でもそうさせてるのは俺なわけで。



「俺、最低だね」

「なんで？」

「付き合って早速ここまで泣かせてる」

「…私が勝手に泣いてるだけだよ」

「ほら、また我慢までさせてる」

「違うもん」

「違わない」

そこだけはハッキリしてる。



「昨日、ホントにごめん。来てくれたのにあんな言い方して」

「…ううん、私こそ、ごめんなさい。勝手に部屋行って」

「何で？Aはいつ来てもいいって言ってあるでしょ？」

俺が言うとやっと顔を上げるA。



「…それを気にしてたの？」

俺が聞くと

「行くって言ってないのに来たら嫌じゃない？」

Aが涙を服の裾で拭いながら聞くから俺も指で拭くのを手伝いながら

「俺も今日突然来たけどAは嫌だった？」

尋ねると、首を振るA。



「ね、そういうことだよね」

「…でも」

「俺は鍵渡した時にいつでも来てって言ったよ？」

言ってそっとキスをすると涙のせいか少ししょっぱい。



「明日仕事早番？」

「…お休み」

「そうなの？」

なら時間まだあるかな。



「ドライブのやり直ししちゃダメ？」

「え？」

「Aが良ければ今からうちに来ない？」

俺が言うとびっくりした顔で俺を見てる。

「…行く」

びっくりした顔のまま答えるA。

「ん、じゃあ車停めてきて」

「うん」



離れようとすると寒かったことを思い出す。
Aも離れようとしたけどまた俺の胸に入り直した。




「…寒いね」

「ん」

俺が言うと頷くA。




「よし、せーので離れて車戻ろう」

「わかった」

俺が言うとAも言うから

「「せーの」」



掛け声かけて離れようとしたらAがしがみついて離れない。



「A？」

声をかけると絞り出すような声で

「…やっぱりあと1分だけ」

Aが言う。



「え？」

「30秒でもいい。少しだけこのままがいい」



ギュッてしがみついてくるA。

…ここまで甘えてくるとは。
よっぽど寂しいかったんだ。



「いいよ、Aが気が済むまでこのままで」



今日くらいはAのワガママをいくらでも聞きたい。

俺たちはしばらく抱き合っていた。

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