この想いの結末は 8

どっちが甘えてる？ ページ14

Aside


「とりあえずこれでAの疑問は色々解決？」

「うん」

太輔が聞いてくるから頷くと

「よしっ、じゃあ後は俺の問題だね」

ものすごく意地悪な顔の太輔。




「えっ？」

「俺のA不足を解決してもらわないと」

「ふぇっ！？」

驚いて間抜けな声が出た私を太輔が抱き締めたまま歩き出す。



歩きにくいっ！て抗議しようとしたら

「もうAが足りなさ過ぎて辛いの」

辛そうな声の太輔。



「えっ」

「会えなくて寂しいのはAだけじゃないよ。俺も寂しいの」

「……」

切なそうな声に何も言えなくなる。



歩く方向はリビングみたい。
必死についていく。

「すごく寂しかった。だって最後に会った時A俺が寝てる間に帰ってるから」

「それは…」

だって太輔寝てたし。
疲れてそうだったから。

「うん、Aが俺のために寝かせてくれたままなのはよーく分かってるよ？でもね…」

言いながらリビングのソファで太輔が私をそっと押し倒す。



「本当に寂しかった。起きた時にAが居なくて」



本当に寂しそうな太輔の顔。




「…ごめんなさい」

私は謝るしか出来なかったんだけど

「悪いのは俺なの。最後に会った時ここだったからここからスタートさせて？」

そう言って太輔は深いキスをする。



…やっぱりすごく気持ちいい。



「…はぁっ」

唇が離れる時に思わず声が漏れる。



「一緒にお風呂と髪の乾かし合いしようって言ったもんね」

「…うん」

額をくっつけ合いながら太輔が言うから恥ずかしいけど頷く。



「じゃあお風呂お湯入れてくる」

「うん」

そう言って少し触れるキスをして太輔が離れたから何だか寂しくなって背中にしがみつく。



「どうしたの？」

太輔が聞いてくる。



太輔が離れたのが寂しい、なんて言えなくて。

「私も一緒に行く」

とだけ言う。




「え？」

「だって太輔寂しかったんでしょ？なら今日はずっと一緒に居る」

太輔が寂しかったせいにして腰に抱きつくと太輔は私の手をぽんぽんって優しく触る。



「じゃあ一緒に行こうか」

「ん」

太輔は絶対歩きにくいだろうけど私は離れなかった。



「泡風呂にしよっか」

お湯を張る準備をしながら太輔が言う。



泡風呂？
30代のメンズが家で泡風呂？

「…太輔の女子力の高さに引く」

私だってしないよ。



「でも泡風呂の方が色々見えないもんね」

「やっぱり泡風呂やめる」

「やだ！泡風呂！」




言い合って笑う。

幸せな時間。

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