サイボーグな彼女

一心同体 3 ページ36

会計して、薬貰って車に戻るとスヤスヤ寝てる北山さん。


「動きます」

一応声を掛けてから車をそっと走らせる。



途中ドラッグストアで冷えピタと、私がよく飲む漢方っぼい栄養ドリンクを買う。

さらに、スーパーに寄ってスポドリやゼリーも買った。



北山さんを送るところまで着くと、

「北山さん、着きましたよ」

声を掛けたけど反応がない。



後ろから車が来ちゃったから駐車スペースに車を回してから、

「北山さん」

もう少し声を張って掛けると、ゆっくり目を開ける北山さん。



「マンション着きました。動けます？」

小さく頷く。
ゆっくり起き上がってるけど、これ部屋まで1人で大丈夫？

「北山さん、部屋まで送りますか？」

声を掛けてみたら、また小さく頷く。



…1人で歩くのもしんどいんだろうな。



まぁもし仮にどっかに撮られても車も社用車だし、事務所もマネージャーだって言ってくれるか。

私はさっき買った一式と北山さんのカバンを持った。
後部座席に回ると、肩を貸して北山さんに車から降りてもらう。


エントランスに着くと、コンシェルジュなのか警備の人が居る。

「あのっ！少し車停めさせて下さいっ」

名刺渡しながら慌てて伝えて、北山さんが歩くのを支える。



玄関を上がると、北山さんの香り。

とにかく、北山さんについて行くと寝室に到着。



崩れるようにベッドに倒れて、私も一緒に倒れた。



はー、着いた！！



私は起き上がると、慌てて辺りを見渡して電気とエアコンを付けた。


「北山さんっ、何か食べて薬飲みましょう」

ビニールから出そうとしたけど、

「無理、とにかく一度寝かせて」

聞かない北山さん。
私のストールをはずしてコートを脱いで、枕元のスエットに着替えると布団に入ろうとする。

「薬飲まないと…」

せっかく寝ても、薬飲んでないと治るものも治らない気がする。
休みたくないはずなんだから、とにかく何か食べて薬飲んでほしい。

「ぅるせぇっ！とにかく寝るっ！！」

北山さんが少し声を荒らげて寝ようとしたから、




「ダメですっ！！！」




思わず大声で言う。

北山さんがものすごく驚いて動きを止めた。




「仕事休みたくないんですよね？治したいんですよね？」

私が聞くと、

「…はい」

頷く北山さん。

「この中から何か1つでいいから食べて下さい」

ゼリーとかヨーグルトを広げる。

果物のゼリーを選んで食べてくれる。

良かった。





…にしても、あんな大きな声いつ以来？

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