この想いの結末は (ページ27)

今日:7 hit、昨日:40 hit、合計:223,145 hit

キングのアシストページ27

アコside

A様の大好きな人が太輔とは思わなかった。

私が静岡に来た時から顧客だったけど、
本当に中身も含めて可愛くて。

ライブの前はダイエットして、前日には体を磨いて高いパックもしてることも知ってた。

「遠くから見てるだけで幸せなんです。もしも団扇に気づいてもらえて、ファンサ貰えたらそれだけでいいんです」

って言うから、
前に太輔が、団扇はちゃんと見るって言ってたからいつか気づいてもらえると思うよ、なんて言ってて、
いつだったファンサ貰えた日に、次の日の朝に報告に来てくれた。

「日向さーん！私、人生初のファンサ貰えたんですー！日向さんが背中押してくれたんです、ありがとうございます！」

って。

…まさか太輔のことだったとは。

7月の連休も野外みたいなとこに行くって言ってたからてっきりフェスだと思ったら
西武ドームだったのね。

私のお客様なこと言えばいいかと思ったけど、武田さんは尚も不安そう。

「私の顧客さんだし、なんなら彼女の上司もお客様なので何かあったら繋がることできるし」

…そんな必要絶対ないと思うけど。

「あ、いやそんな、私がお邪魔するわけには…」

「でも朝まで困ってるでしょ？武田さんがそんなに心配だって言うなら、私A様と2人で席移動でもいいよ」

武田さんは残念だけど、せっかくだからA様と飲んでみたい！

でも、私の言葉にいよいよ困ってる武田さん。
そりゃそーだよね、ファン同席させるんだから。

居たたまれなくなったAさんが

「私、やっぱり帰…」

「…ねえ、それならさ。念のためマネージャーがアコと連絡先交換しといて、何かあったら連絡出来るようにしとけばいいんじゃない？」

A様の言葉を遮るように言う太輔。

「…まぁ、そういうことなら」

と言って携帯を出す武田さん。

え？太輔、それって私と武田さん、連絡先交換出来るってこと？？

チラッと太輔を見るとニヤッと笑う。

…すごい。

すごいよキング。さりげないよ。

慌てて私も携帯を出して連絡先を交換する。

まさかの武田さんの連絡先ゲット。

ヤバイにやける。

「はい、ということでお座り下さいAさん」

改めて椅子を引かれてるA様。

遠慮がちに座る。
表情もめっちゃ硬い。

そりゃそうか。
隣に憧れの人座ってるんだもん。

「あ、こちらはマネージャーの武田さんです。で、こちらは私の小学校からの同級生の太輔」

…ま、太輔は知ってるか。