まさかの展開 ページ22
思いっきり吹き出した俺に、さすがにマネージャーとアコが「？」ってなる。
「…見ないでって言ったのに…」
隣から消え入りそうな声がしてる。
「ごめんなさい。見ないと取れなかったから。…でもありがとう、好きでいてくれてるんですよね」
俺の声にマネージャーが仕事モードの顔になる。
アコもバレたことを察したようで、どうしよう、って顔で俺とマネージャーを交互に見る。
「…Journeyのツアーに、友達に連れてってもらってからファンなんです」
「あ、だからロック画面が…」
「はい」
俺はスマホを拾うと、少しついてたホコリを払って彼女に渡す。
「変な反応してごめんなさい。でもホント嬉しいんです、ファンの方のこういうの見るの初めてだから」
真っ赤になってる彼女。
受け取ろうとしたらそのスマホが鳴った。電話のようで着信音が「REAL ME」
彼女がさらに気まずそうになりながら受け取る。
俺はにやけそうになるのを必死で堪えた。彼女にこれ以上気まずい思いをさせるわけにいかない。
「もしもし？……うん、そう。………いいよそれなら漫喫かどっか行くし……大丈夫だって。もうそれなりの歳だし………」
彼女が電話してる間にアコが口パクで「大丈夫？」って聞いてくるので安心させるように微笑んで頷いた。
マネージャーは、多分ファンと接触した時マニュアル対応の準備を脳内でしてるんだろう。緊張感のある顔をしている。
この芋ロックの彼女の雰囲気からしたら、これさっき言ってたお迎えに来る予定の親なのかな？
迎えに来れない感じだよな。
てことは、帰ろうとしたのは俺にバレたから帰ろうとしてた感じだよな。
多分バレてなければまだ居たんだろうな。
そして、親は迎えに来れそうもない、と。
あー、悪いことしたなー。
「……大丈夫、明日休みだし。……はい……はいはーい、また明日ね、おやすみーー」
電話を切って、ふーー、と息を吐く彼女。
「ホント、お邪魔してごめんなさい」
「いや、なんかこちらこそごめんなさい。逆に俺が気を遣わせてるよね。…帰れないんでしょ？大丈夫？？」
「あーーー、いや、そのー…」
なんで話してたらアコが「ん？」って顔をする。
「もしかして…A様？？」
って芋ロックの彼女の方を見る。
芋ロックの彼女も「ん？」って顔をして仕切りの向こうからこちらに顔を出した。
「日向さんじゃないですか！？」
日向ってのはアコの苗字。
え？？知り合いなの？？？？
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作者名：shizu
| 作成日時：2018年10月5日 4時
