本音は？ ページ18
隣りのテーブルは芋ロックの彼女を残して帰った様子。
親御さんが迎えに来てくれるのを待つらしい。
さすがに1人で飲んでるなら何も様子はわからない。
たまーに「すいません、芋ロック1つ」と言ってる声が聞こえるくらい。
どんだけ飲んでるんだ？？
お酒強そうだなー
「ねぇ太輔見てないの？このドラマ」
「見てないってば」
医療と恋愛が一緒になってて面白いらしい。
最近恋愛ドラマ見てないなー。
くっつきそうでくっつかないのが逆にモヤモヤしてくるんだよなー。
「だいたいお前が先に見てると、全部結末言っちゃうんだもん」
「えっ？」
「面白いことを解説するのに、飲み会でサスペンス映画のトリックとオチ言って。ツレ全員が見るのやめたこともあったよな？」
「えぇ、やらかしたことあります」
メニューで顔を隠す。
「見たかったのになー。あの時はホント殺意芽生えたよ」
「あれはみんなに申し訳なかったわー」
「興奮してたよな、めちゃ面白かったって」
「…トイレ行ってきまーす」
アコがいたたまれなくなったのかトイレに行く。
俺がクスクス笑いながら、明日に備えて変えた烏龍茶を口に含む。
マネージャーも運転があるのでだいぶ前から緑茶割りのアルコール抜きに切り替えている。
「仲良いよな」
「付き合い長いからな。多分中学の同級生みんなあんな感じだよ」
「今でも仲良しとか羨ましいなー」
「俺が芸能人になっても全く変わらないで居てくれたから、すごい居心地がいい」
「…実は付き合ってたりするわけ？」
マネージャーの言葉に、俺は内心ニヤっとしたが。
「…気になる？」
「担当の恋愛事情知ってないとマズいし」
聞くと、マネージャーは小さめの声で答える。
へー、それだけ？
「…何でそう思った？」
「パフェのためだけで静岡そんなに来るか？と思ったのと距離の近さから」
あそこまで女の人と距離近いの見たことなかったし、とマネージャーは続ける。
「貴重な休みに体力削って静岡来る？と思ったら、本命だからかなーって」
「それだけの理由？」
「…ああ」
ふーん、嘘つくんだー。
そんな人には教えてあげない。
「アコとは小学校から一緒で親同士も仲良いからアコが遊びに出て帰りが遅くなっても『俺が一緒』って言えばオッケーだったしな」
「親公認ってことか？」
マネージャーがぐびっとお茶を飲む。
俺は答えない。
さぁどうする？？
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作者名：shizu
| 作成日時：2018年10月5日 4時
