パニック。 ページ15
隣駅まで含めて検索をかけても
15万以下の宿は見つからなかった。
オシャレなリゾートホテルの30万とか出てきたくらいで。
なんてタイミングが悪いんだ。
時刻は21:50。
終電が22:20頃の予定だった。
「…明日午後からで良かったなー」
「そうだな」
俺の言葉にマネージャーがため息混じりに答える。
「…ごめんなさい、私がもう一軒って言ったから…」
アコが半泣きになってる。
「いや、アコのせいじゃないよ！」
「そうですよ！気にしないで下さい！！」
すかさず、俺とマネージャーが言う。
「まぁ男2人だし何とかなるよ」
「そうそう」
「なんなら、ここの営業時間朝までだからこのまま朝まで居てもいいし」
俺の言葉にマネージャーも頷く。
まだ半泣きのアコ。
1Kのアコの家に泊まれないのも知ってるし。
そうこうしてたらwebニュースに新幹線が止まったってニュースが載る。
「とりあえず、俺一度事務所に連絡してくる」
マネージャーが席を外した。
とたんにアコが席に突っ伏す。
「おいアコ、マジで気にすんな」
「…気にするよー」
俺が頭ポンポンしても顔を上げないアコ。
「…ホントはさ、アコがマネージャーと話してる感じがあんまみない顔だったから、もう少し居た方がいいかなと思って」
「えっ！？」
アコが勢いよく顔をあげた。
「…私が気に入ってるの、武田さんに伝わってるかな」
「いや、マネージャーには伝わってないと思うけど。あからさまに俺に対する態度と違うし。メイクも違うし」
違う意味で半泣きになってるアコに、ニヤニヤしながら俺も答える。
「好きな奴には、あんな顔になるんだな」
「…なっ！！何言ってんのっ！！！」
「あ、認めないの？」
ふふん、と得意顔になる俺。
顔を手で覆うアコ。
「ものすごーくドキドキしてる。顔もタイプだし、話しててめちゃ楽しいし、正直、もう一軒ってなったときに太輔が賛成してくれてやったー！って思った」
「だろ？」
「ヤバいの、タイプなの。ねえねえ、彼女とかいるの？？」
「…ちゃんと聞いたことないけど多分いないよ」
「マジで！？え、アプローチしてみていいかな」
「いいんじゃない？俺は応援する。どうする？部屋誘う？？」
「えっ！？」
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作者名：shizu
| 作成日時：2018年10月5日 4時
