潜書参・ ページ23
最初に口を開いたのは田山
「まずはそっちから名乗るのが常識だろ?」
睨む国木田の目に負けじと笑ってみせる。
『俺は国木田独歩。武装探偵社で働いている。』
「は?国木田独歩・・・」
田山は怪訝そうな顔をして云った。
「成程ねぇ?」
国木田は嘲笑するように云った
「・・・・」
「・・・・」
島崎と徳田はもう物も云わない。
『俺は名乗ったぞ。』
国木田はやれやれと云った様子だ。
「俺は」
「待って」
早速、素直に名乗ろうとした国木田の言葉を遮ったのは島崎だった。
全員が不思議そうに島崎を見る中、島崎はゆっくりと、国木田に近づいた。
「可笑しいと思ったよ。変な臭いがしたから矢を放ったらそこに人か居るんだから。」
島崎はいつもより何処か饒舌だ。
それには三人も気づいていたが、誰も止めようとしない。こうなった島崎はもう止められないことを三人は知っているからだ。
島崎はそのまま口を止めなかった。
「しかも国木田独歩って・・・司書さんの云ってた通りだよ。
この本の侵食者は登場人物なんだね。」
島崎は国木田の前にピタリと止まり、自分よりも背の高い国木田を見上げた。
『何を、云っている?』
島崎は国木田の問い掛けを無視して、その高い位置にある国木田の肩に手を置いた。
「侵食者、見つけたよ。
侵食者は・・・君だ。」
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エリカ - すごく面白かったです!続きを待っています! (2018年3月17日 10時) (レス) id: e5d2f5896d (このIDを非表示/違反報告)
庵 - こういうの探してました!いやぁ、これは鼻血もんですね。更新期待してます。頑張って下さい!! (2018年3月10日 0時) (レス) id: 359f234116 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - 文アルと文ストどちらも好きな私にとっては嬉しすぎて昇天しそうでした…← 出てくる文アルキャラが文ストキャラと同じ名前の人だけじゃなく色々な人が出てくるのですごく面白いです!更新楽しみにしてます( ´∀`) (2018年1月23日 19時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 面白かったです。すこし気になったのですが、登場人物が侵食者というのは、作者さんのオリジナルでしょうか? この前別の小説で見たことがありまして…。偶然ならいいのですけれど、少し気になりまして…。 (2018年1月20日 18時) (レス) id: 48db98a9a7 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - とても面白かったです!ボクは空白のSecretさんのほかの作品からここにきたのですが、どの作品も面白くてすごいです!応援しているので、頑張ってください! (2018年1月20日 13時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白のSecret | 作成日時:2018年1月7日 22時