潜書貮・ ページ22
「なっ・・・お前」
振り絞った様な声を出したのは田山。
倉庫の影から出てきたのは島崎だけでは無かった。
もう一人、出てきたのは
黄色の長髪に眼鏡。そして島崎の両腕を押さえつける屈強そうな男の姿だった。
読者諸君、お分かりでしょう。正しくこの世界の国木田独歩だ。
実は島崎は、潜書してすぐにこの倉庫の陰から侵食者の気配を感じ、少し遠くから己の武器である矢を放った。
しかしよく見ると、それは侵食者ではなく一人の男。
時すでに遅し、幸いにも矢を避けた国木田に島崎は倉庫の影に引っ張られ、抑えられたのだ。
その際、国木田は
『銃刀法違反だ。それに、何故矢を放ったか聞かせて貰う。』
と、云ったが島崎には意味が分からず他の三人を呼んだのである。
時を現在に戻そう。
『お前達も此奴の仲間か？』
「まぁ、そうだけど。うちの島崎に何か用？」
ぎっと三人を睨む国木田に屈せずはにかみながらも答えたのは国木田。
国木田と国木田の会話とはややこしい。
『此奴がいきなり矢を放ってきた。その弓矢が本に変形したのから考えて異能だろう。』
「島崎、なんて事したんだよぉ」
徳田が面倒くさそうに云った。
『軽犯罪法と云いたい所だが、先ずは名前を聞こうか。話し合ってやらん事もない。』
国木田は島崎の腕を外した。
島崎は三人の元に駆け寄り、国木田を見た。
死んだ魚のようなその目は、何かを捉えているような、虎視眈々とした色だった。
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エリカ - すごく面白かったです！続きを待っています！ (2018年3月17日 10時) (
レス) id: e5d2f5896d (このIDを非表示/違反報告)
庵 - こういうの探してました！いやぁ、これは鼻血もんですね。更新期待してます。頑張って下さい!! (2018年3月10日 0時) (レス) id: 359f234116 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - 文アルと文ストどちらも好きな私にとっては嬉しすぎて昇天しそうでした…← 出てくる文アルキャラが文ストキャラと同じ名前の人だけじゃなく色々な人が出てくるのですごく面白いです！更新楽しみにしてます( ´∀｀) (2018年1月23日 19時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 面白かったです。すこし気になったのですが、登場人物が侵食者というのは、作者さんのオリジナルでしょうか？ この前別の小説で見たことがありまして…。偶然ならいいのですけれど、少し気になりまして…。 (2018年1月20日 18時) (レス) id: 48db98a9a7 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - とても面白かったです！ボクは空白のSecretさんのほかの作品からここにきたのですが、どの作品も面白くてすごいです！応援しているので、頑張ってください！ (2018年1月20日 13時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白のSecret | 作成日時：2018年1月7日 22時
