◎邪道ヒロインですが。

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蒼弥とカフェテリアで席を探していたら
那須が座っているのが見えた。





『あっ、那須』
「関わらないでって言われたんじゃねーの？」





ああ、ゼミ飲みの時に
喋ってしまったからすっかり忘れてた。
ご飯を食べていると思いきや
パッと急に顔を上げると
キョロキョロと周りを見始めた那須。





『うん、もう関わらないけど』





……なんて答えた時ちょうど目が合って
いや、私も正直合わなくていいと思ったのに。
焦ったような顔で前に向き直していた。
なに今の。
その様子を蒼弥も見ていたようで。





「Aちょー嫌われてんじゃん」
『うるさいなあ、あっち座ろ』





笑う蒼弥を連れて歩いたところを引き返し
入り口近くの席に2人で座った。





『ねえ蒼弥、なんで私那須に嫌われてんだと思う？』
「なに、気になんの？」
『いやいやそうじゃないけどさ、あそこまで拒否られるとさすがにねえ』





しかもゼミ飲みの時には
自分の言葉をすっかり忘れたのか
酔って普通に話しかけてきた。





「過去に嫌な女でもいたんじゃね？トラウマになるレベルの」
『ん？つまりどういうこと？』
「そいつの気が強かったとかね」
『あ〜〜なるほど』





蒼弥の言葉になんとなく納得する私。
トラウマになるレベルの女……。
って、私が嫌われてることと関係あるなら
私にその素質があるってことじゃん！
めっちゃ失礼やないか！なんて思っていると。





「そんな顔すんな」
『いっっっった！！！』





蒼弥に思いっきりデコピンされた。
地味だけどめちゃくちゃ痛いんだわ。





「お前があんなやつに悩まされてんの見てらんねーから笑っとけ」
『え？ああ、まあたしかに癪だよね。やめよやめよ』





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