◎邪道ヒロインですが。

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「全員揃ったか？」
『はい、大丈夫です。』
「じゃあ出発するから車酔いするやつは薬飲んでおけよー」





ゼミ合宿当日の朝、大学に集合した私たちは
みんなでバスに乗せられて宿へと向かう。






『蒼弥おはよー！』
「おはよ」
『どこ座る？』





役割でバタバタしてたから、やっと蒼弥に
挨拶をして席の相談をしようとしたら
後ろから誰かに首根っこを掴まれてしまった。





「(人1)の席は決まってるから」
『え、は？なんで？待って、蒼弥ー！』





そして無理やりバスに乗せられて
強制的に座らされた席。
え、1番前なの？？ていうか……





『なんで那須と隣なの？！』
「しょうがないじゃん、先生が気を遣ってくれちゃったんだから」





ゼミ長同士、隣の方が何かと便利だろう
と、謎に気を利かせてきた先生は
私たちを隣にしてきた。これはありえん。





「ゼミ長同士仲良くやるんだぞ！」
『は、はい……』





通路を挟んで隣の2席を1人で使う先生から
ウィンクとグッドポーズをもらう。
え、何どういう意味。
これはなんか勘違いされてるのか
面白がられてんのか……。





『私音楽聴きながら寝てるから。話しかけないでね』
「うん、俺も音楽聴きながら本読んでるから邪魔すんなよ」





あーやっぱりムカつく！
ゼミ長は百歩譲って良かったとしても
こいつとだけはやりたくなかった！





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