参考書42冊目 ページ45
『まず…話すにあたって、
絶対に他の人に話さないで』
ｻｶ｢わかった。約束するで｣
Aは"うん"と小さく頷くと
ゆっくりと、何処か苦しそうに話し始めた
⋯⋯
⋯
【Aside】
どこから話せばいいかしら…
私の記憶がある限り、兄…一ノ瀬彼方はずっと1番だった
勉強も、運動も、人格もよく、周りには沢山の人がいた
でも、それ以上に…両親に認められていた
それがどうしようもなく憎たらしく、同時に羨ましかった
私達の両親は、弁護士と教師
教育は常に厳しくて、口に出せないこともされたわ
でも、何も言わなかった
その頃の私は、それしか知らなかったから
それが普通だと思っていたから…
だからただひたすらに頑張った
でも…どんなに頑張っても、私は兄になれない
何をしても、何を生んでも、認められない
そんな私に嫌気がさしたのか、両親は小学に上がる頃
私をここに入れた
"一ノ瀬"の名を取られ、別の人間として
この時から既に、兄を同じ進学校に入れることは
決まっていたのでしょうね
だから、私から一ノ瀬の名を取った…
そこから私は、以前以上に勉強に没頭したわ
友達というものを捨て、代わりに参考書を手に取った
2週に2日家に帰らされても、家族と関わらず
参考書に向き合い、少しでも多くの知識を取り入れた
⋯それでも、ダメだったの
小学棟で1番になっても、
｢小学の勉強で何を言っているの？
彼方は県内実力テストでトップ3に入ったのよ？｣
同じテストでトップ3に入っても
｢彼方は中学棟でトップになったんだぞ｣
そこでやっと気付いた
私は彼には追い付けない
追い付いた気になっても、彼はもうそこに居ない
それなら、追い抜いてやる
私が前に居ればいい
そう心に決めた時、神様は私に微笑んでくださったの
中学棟にいた頃に知った事実
私が進む高学棟の世界に、彼が居るということ
彼は私が失った"一ノ瀬"を名乗り胸を張っていた
⋯やはり、憎たらしいだけでは済まなかったわ
何処がで哀しくて、羨ましくて、、
でも、私の決心は変わらなかった
この期を逃す訳にはいかない
チャンスは1年
私と彼が、同時に高学棟に通える間だ
その間に、1度でいい
1度だけでいいから、彼を追い抜くんだ
そうすればきっと両親も
『私をっ、見てくれるから…』
話し終えた私の声は嗚咽交じりで、掠れていた
話してしまった後悔、溜め込んだ寂しさ…
見て見ぬふりしてきたもの…
あぁ、これが"感情"なのかしら…
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めい*cerw* - 更新待ってますね！ (2019年3月30日 2時) (
レス) id: 6f4d80c867 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - 更新停止してますよ！このお話好きなので良かったら更新して下さい！ (2018年9月1日 22時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
rin.rain.(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！そらるさんもっと出してry (2018年3月20日 21時) (レス) id: 15ed3460f9 (このIDを非表示/違反報告)
れもんねこ(プロフ) - わーい！ろんさんありがとうございます！まだ出てきてくれるのでしょうか（ドキドキ 更新頑張ってください〜！ (2018年3月4日 18時) (レス) id: 032d1e69c8 (このIDを非表示/違反報告)
Dr.K(プロフ) - れもんねこさん» ろんさん了解です！コメント、リクエストありがとございます！！ (2018年3月1日 20時) (レス) id: a5d990b401 (このIDを非表示/違反報告)
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