【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:104,302 hit

赤羽くんの隣ページ8

「さよーならー。」

学校が終わって坂を下る。

・・・今日の赤羽くん優しかったなぁ。

教科書の隅っこの黒猫を思い出す。

不良って怖い人ばかりじゃないんだね。

これからもっと不良と関わってみよう！

いや、まあ、嘘だけど。

「あ、小鳥遊さんじゃん。」

名字を呼ばれて後ろを振り向く。

「赤羽くん。」

後ろにいたのは、今考えてた人。

「今帰り？遅くね？」

「ビッチ先生に頼まれごとされて、遅くなっちゃった。」

「へー。優しいんだね。」

赤羽くんはいつの間にか私の隣に来ていた。

「うーん。私は赤羽くんの方が優しいと思うけどな。」

「俺が？」

赤羽くんは首をかしげて不思議そうな顔をする。

「うんっ。」

「えー何かしたっけ？」

「私のこと、慰めてくれた。」

「・・・ああ、今日のこと？」

「嬉しかった。ありがとう、赤羽くん。」

ぺこりとお辞儀をすると、赤羽くんは少し間を開けてから笑った。

「小鳥遊さんって、俺がＥ組の落ちた理由知らないでしょ。」

「理由？」

席替え前まで、赤羽くんと喋ったことすらなかったもん。

理由なんて知るわけがない。

「俺さ、生徒に絡まれてるＥ組の先輩助けて、落ちたんだよ。」

「え・・・。」

「信じてた先生もさ、死んでいった。」

そう言った赤羽くんの目は、とても悲しそうで。

「・・・よし、帰ろうか。」

赤羽くんは少し早歩きで歩いていくが私が止まったままだったので戻ってくる。

「小鳥遊さん？」

「・・・優しいじゃん。」

赤羽くんは私の声が聞こえなかったのか、私の近くに寄ってくる。

今度は聞こえるようにと、息を吸って口を開く。

「赤羽くん優しいじゃん！！」

「・・・は？」

「先輩助けたんでしょっ！？優しいじゃん！」

赤羽くんの目をしっかり見て叫ぶ。

「悪いのはその生徒で、赤羽くんは、これっぽっちも悪くない！」

親指と人差し指で小さな隙間を作って見せる。

「・・・ありがとう。」

「私は赤羽くんのこと、スゴく優しい人だと思う。」

「・・・小鳥遊さんもね。」

「私？」

「スゴく、優しいよね。」

赤羽くんは柔らかく笑って私を見る。

こんな顔するんだ。

「ね、小鳥遊さん。」

「ほ？」

「コンビニで、アイス買ってこ。」

赤羽くんの目はさっきの悲しい目と違って、どこか嬉しそうな目だった。

それが嬉しくて、赤羽くんの言葉に大きく返事をする。

「うんっ！！」