【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ25)

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赤羽くんの隣ページ25

「おはよう、カルマくん。」

「おはよう、Aちゃん。今日は遅いんだね。」

「寝坊したの。そう言えば、昨日のコンビニで買ったゼリー美味しかった。」

「そう？Aちゃん、好きだと思ったんだよねー。」

いつもと何の変化もない、私とカルマくんの会話を、潮田くんは不思議そうに見てくる。

どうしたんだろ、と潮田くんを見つめれば、近くにいた速水さんに話かけた。

ひそりひそり、と声が聞こえる。内緒話かなあ、なんだろう。

「・・・A、ちょっといい？」

「ん？なに？」

「ちょっとこっち来て。あ、カルマは来ないで」

速水さんに呼ばれて、古臭い廊下に出る。

まだHRは始まっていないので、そんなに急かさなくても、ゆっくり話せるのになあ。

二人しかいないのに、耳に口を近付けてくる速水さん。ああ、耳弱いんだけどなあ。

「Aって・・・結局カルマと付き合ってんの？」

きっと、まだ恋だと気づいていないときの私だったら、心臓が止まっていただろう。

だけど、恋だと確信してしまった今の私は、心臓が落ちついている。

「付き合ってはないけど・・・。」

「ないけど？」

「す、好き、だよ。」

言葉に出すと、やっぱり恥ずかしいものだ。頬が染まる。

速水さんは髪を弄りながら、やっぱり、みたいな顔で笑った。

どうやら速水さんは、わかっていたみたいだ。私の、気持ちに。

「前さ、Aに聞いたでしょ？好きなのかって。」

「あー、うん。」

「違うよって答えてたけどさ、A、顔赤かった。」

笑いながら、私の心を見透かすように見つめるから、私まで笑う。

それから、カルマくんが好きって気づいたきっかけを、速水さんに話した。

こんなにすっきり、カルマくんにも言えたらいいのにな。

カルマくんに、好きって、言えたら幸せなのにな。

「そっか、じゃあ教室戻ろう。」

「うん。速水さんって、優しいよね。」

「・・・そう？」

教室に入って、私の定位置・・・と言うと変だけど、赤羽くんの隣に戻る。

お帰り、と笑うカルマくんに、ただいま、と返す。

「なに話してたの？」

「カルマくんのこと。」

「あは、なにそれ。」

「・・・カルマくん。」

「なーに？」

「期待しててね。」

うわあ、私は本当に、恥ずかしい女だなあ。

でも、その言葉で、嬉しそうに貴方が笑うから。

簡単に丸めてぽいっと、羞恥心なんて捨てられちゃうんだ。