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『 あー … ちょっと飲みすぎたかも 』
そう言ったAは目がとろんとしている 。
「 大丈夫?」
心配の言葉を吐きながらもAのグラスを
空きにしないようにまた酒を注いで 。
『 大丈夫ー … 大丈夫だからー 、全然 』
「 ほら 、これも甘いお酒だよ 」
『 ありがとー … 』
完全にここまで酔わせたのは俺 …… 。
姉ちゃんの結婚式から1ヶ月経ち 、
やっとAを食事に誘えたってのに
『 雄登がお酒飲むのまだ信じられないよ 』
『 そっかそっか 、お酒飲めるんだね 』
『 雄登が … お酒を … 』
グラスに手を伸ばす度に
弟扱いされていることが気に入らなくて 。
「 お酒そんな得意じゃないんだよね?」
『 うん 』
「 これ甘いから飲みやすいよ 」
『 そうなの? … じゃあ飲んでみようかな 』
軽い悪戯心で度数の高い甘めのお酒を飲ませた 。
「 ところでさ 、ニューヨークどうだった?」
『 充実してたよ 』
「 向こうで彼氏とか出来たの?」
何となくの流れ 。
出来るわけ無いでしょ!って言うと信じてたけど
『 まあね 』
返事は想定外 。
「 背の高い白人とか?」
昔 、洋画で見た俳優を格好いいと言ってたから
それに近い人だったりするのかと思いきや
『 ううん … 日本人だよ 』
「 は 、」
日本人ってことに驚いたのと
もやもやとする自分がいて 。
「 いつ別れたの?」
『 別れてないよ 』
「 じゃあまだ付き合ってんの?」
こくんと頷いてまたお酒を飲むAは
爆弾発言をした 。
『 あれ?この前聞いてたんじゃないの?』
「 え?」
『 話してたじゃん 、お姉ちゃんの結婚式で 』
「 誰が 」
『 雄登と優斗 』
「 …… 」
嫌でもわかってしまった交際相手に
少しイラッとした 。
「 …… それ美味しい?」
『 これ?凄く美味しいよ 』
ほろ酔い気分でグラスを傾けて軽く振るAに
「 じゃあこっちも好きだと思うよ 」
もっと度数の高い甘いお酒を飲ませて 、
空になる前にまた注いで
『 んー …… 』
気づいたらこんな状態だった 。
..
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めろんぱん(プロフ) - このお話が大好きで完結後も定期的に読みにきます( ; ; )みるるんさんの作品大好きなのでこれからも応援してます! (2020年7月13日 4時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるるん | 作成日時:2019年6月16日 2時