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『 … ごめんね 、雄登 』
その言葉と右手が離れた時の感覚がまだ残っている
…… もう4年も経つのになー 。
「 姉ちゃん 」
姉「 あ!雄登 、また一段と格好良くなったね 」
「 ありがとう … 姉ちゃんも綺麗じゃん 」
姉「 当たり前でしょ 」
目の前で白いドレスをふわりと見せながら
俺に微笑むのは長期戦覚悟だったはずの相手 、
姉ちゃんで 。
Aがニューヨークに旅立って少ししたら
姉「 私 、廉のところに戻るから 」
ってまたいきなり荷物纏めて彼氏と
同棲再開して4年経った今 、ようやくゴールイン 。
姉「 あ 、雄登 」
「 ん?」
姉「 これあげる 」
真っ白な姉ちゃんが俺の手に無理矢理
握らせたのはいちごみるくの飴 。
その飴を見て
思い出すのはAのこと ……
そう言えば最後に会った時も渡されたんだっけ 。
姉「 … もうすぐ来るよ 、可愛い可愛い私の妹が 」
「 …… 」
姉「 ほら 、私まだ準備あるから出てってー 」
あの時と同じように飴を見つめる俺の背中を
追い出して扉を閉めた姉ちゃん 。
いくつになっても変わらない姉ちゃんの
そんなところが好きだったのは確かで 。
「 … ふはっ 」
慣れない服装にいちごみるくの飴持つ奴なんて
俺くらいしかいないんじゃないか
そう思ったらちょっと笑えた 。
ポケットにいちごみるくの飴を押し込むように入れて
会場に向かおうとしたら後ろから
ヒールの音が聞こえてきて何となく足を止めた 。
「 …… っ 」
振り向けば
「 …… A 」
最後に空港で会った時よりも
大人っぽく髪を伸ばしたAがいた 。
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めろんぱん(プロフ) - このお話が大好きで完結後も定期的に読みにきます( ; ; )みるるんさんの作品大好きなのでこれからも応援してます! (2020年7月13日 4時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるるん | 作成日時:2019年6月16日 2時