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016. ページ16

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そんな生活をしていたら
気づけば卒業式まで後1週間 …











無事に大学にも合格したけれど
雄登とは全く話さないまでになった 。







その代わり未だ廉くんとの家に戻らないお姉ちゃんと
毎日のように一緒にいるみたい 。















『 ん?あれ?』









卒業式が終わればすぐニューヨークに発つからと
荷造りをしている途中


大事な書類が無い事に気づく 。









リビングに置きっ放しかな 、なんて
呑気に考えているとノックも無しに開いた部屋の戸 。









勢いよく開いた音に吃驚しながらも戸の方を見ると









『 雄登 …… ?』









私が探していた書類を手にした雄登が
こっちを睨むように入って来た 。









「 ニューヨークって何 」

『 えーっと …… 』

「 姉ちゃんと同じ大学じゃないの 」

『 …… 』









きっと手にしている書類を見たんだろうけど


静かに日本を離れるつもりだったから
予想外の出来事に固まるしか出来ない 。









「 … 生徒会長でしょ 」

『 え?』

「 俺から離れる絶好のチャンスとでも言われた?」









久しぶりに話すはずなのに
雄登の険しい表情に緊迫してしまう 。









「 ねえ 、答えてよ 」

『 …… 』

「 Aも離れていくの?」









私の両手をギュッと雄登の両手で包み 、
こちらを見る彼の目の奥の碧は
悲しそうにゆらゆらと揺れていた 。












ギュッと包まれた両手から
雄登が相当焦っていることだけは
物凄く伝わってきて









「 離れないでよ …… 」

『 っ ……… 』









思わず今までのように頷いてしまいそうになるのを
必死に抑えて首を振る 。









『 … ごめんね 』









ゆっくりと包まれている両手を離す 。









「 …… 」

『 もう雄登の傍にいることは 、出来ない 』









しっかりと目を見て言う 、伝わるように 。











「 …… ははっ 、そうだよねー 」













乾いたように笑う …… 雄登の悪い癖 。












「 ごめん 、これ勝手に見て 」












書類の端 、グシャってなってるよ 。












「 … 多分当日言えないから先に言うね 」











私も言えないから言うね 、雄登 。











「 卒業おめでとう 」









好きだったよ 。






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めろんぱん(プロフ) - このお話が大好きで完結後も定期的に読みにきます( ; ; )みるるんさんの作品大好きなのでこれからも応援してます! (2020年7月13日 4時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるるん | 作成日時:2019年6月16日 2時

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