【wrwrd!】年下の彼らの面倒を見る 5(男主)

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トントンside


…………どこや？ここ







辺りは真っ暗で何も見えへん

でも、自分の姿だけ見えとる







…俺、発光でもしてんのか？









歩こうと足を動かせば


何かが俺の足を埋めている

泥のような




でも、どれだけやっても抜け出せへん









『トントン』


tn「…………ｯ！A!!!!!!!」









ふと前を見れば、Aが立っているではないか



いつもの…優しい顔をしたA









最初の方は笑わんな…この人、とか思っとったけど


一緒に暮らしていくうちに、小さな表情の変化にも気付くようになって









……あぁ、早くそっちに行かんと




Aの方に向かおうと足を動かすが、やはり動けず

Aがふわりと笑っているのが見えた









『ごめんな、トントン』


tn「……A？」





嘘やろ

なぁ






行かんでくれ









次第に、足元の何かにAが沈み込んでいく

引っ張られるように




足首までしか埋まっていなかったのが


膝に

腰に









『じゃあな…トントン』


tn「嫌や…………ｯ！」









どうして





俺がAと暮らすのを選んだところで


Aがおらんのやったら意味ないやんか









tn「A!!!!!!!」









悲しそうにこちらを見つめて

苦笑いをした









『＿＿＿＿』









何を言ったのかがわからなくて


でも…考える暇も無いまま









俺は……暗闇に呑まれるAを見ることしか出来なかった









gr「トントン！」


tn「……！」








グルッペンの声によって

先程の光景から引き戻された









tn「……ｯAは！？」


グルッペンに問いかけた








俺は……悪い夢を見ただけやんな…？

そうであってくれ……ｯ









gr「……ｯ」


辛そうに俺から目をそらすグルッペン

よく見れば、その目は真っ赤に腫れている









tn「…………グルッペン…………？」


gr「……落ち着いて聞いてくれ…………

　 まだAは生きている」





”生きている”


その言葉を聞いただけで、少しホッとした





…………”まだ”？









gr「覚悟を決めろ、トントン」









現実は思っていたより残酷で


幸せをすぐに奪っていく









gr「…………今夜が……山場だ」

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