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無事に高校を入学した
新しい制服に身を通す
中学時代の制服はトントン君にあげた
グルッペンには避けられているが
トントン君も特別になにか思ってるわけでは無いらしい
ただ目をかけてくれるお兄さん
それくらいだろう
高校にも慣れて来て
友人も出来て
とりあえずひと段落ついた
そう思った矢先に
母が、亡くなった
事故でも無く
過労死でも無く
自ら命を絶ったわけでも、他殺でも無く
持病だった
俺はなにも知らなかった
知らされていなかった
確かに薬を飲んでいた
栄養剤だと言われていた
どこか細くなっていってる気がした
ダイエットをしているのだと言われた
時々ふらついていた
仕事の疲れだから、寝れば治ると言われた
どうして
気付かなかった？
気付けなかった？
俺は
なんのために
『…なにが”もしも”のためにだ…』
一緒にいて気付かなかったのに
何の意味もなさなかったじゃ無いか
葬儀は親戚…母の妹さんが中心となり、進めてくれた
もちろん、喪主は俺なのだが
沢山の人が来てくれた
もう目を覚まさない母の顔を見て
泣いてくれていた
なのに
俺は
泣いていない
なんにも思わない
悲しい？悔しい？辛い？苦しい？
骨になった母を見て
『(ただの
”もの”じゃないか)』
心が無いのを実感した
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作者名：おつきみ
| 作成日時：2019年1月19日 21時
