俺の両親は【朔間凛月】

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凛月「むっちゃん、宿題終わったの？」


夢月「終わった！」





おれはお父さんに漢字ドリルを見せる。






凛月「うん、偉い偉い♪」


夢月「ねぇ、今日って、お父さんが歌ってるテレビあるんでしょ？」


凛月「ん？歌番組のこと？


あるけど…どうしたの？」





今日は、もう一つ宿題があるんだ。




それは、将来の夢の作文を書くこと。







おれは夢なんて決まってないけど、



憧れてるのはお父さんだけだから。





少しでもいいから、お父さんを知りたいんだ。








夢月「それ、見たい。」



















凛月「次が、Knightsだよ。」






おれを膝に乗せて、ソファーに座るお父さん。







夢月「あっ！つきぴぃだ！



せっちゃんもす〜ちゃんも、なっちゃんも！」



凛月「そういえば最近会ってなかったからね。」








そして、かっこいい服を着たお父さんもいた。





なんか、いつもと違う。


きらきらしてる。






何回かお母さんと一緒に、

お父さんの「がくや」に行ったことがあるけど、


そのときはいつものお父さんだった。





ステージの上だと、



こんなにひかって見えるんだ。









…かっこいいなぁ。



















凛月「…むっちゃん。」



夢月「？」



















凛月「…むっちゃんはアイドルになりたい？」



















夢月「…えっ…。」








凛月「まだむっちゃんには早いのかもしれないけど。」











お父さんはおれの方を向いた。









凛月「…アイドルは、格好いいよね。



楽しそうに見えるでしょ。







でも、楽しいことばかりじゃない。




どんな仕事でもそうだけどね。」










テレビを止めて、おれを隣に座らせる。











凛月「…アイドルは、みんなが普通にできることが



普通にはできなくなるんだよ。」











夢月「…みんなが普通にできること？」






凛月「そう。



ルールとかはないんだけどね。」








お父さんの目は真剣だった。










凛月「ちょっとしたことで、周りの人から騒がれる。


ことが大きくなる。




だから、いっぱいいっぱい考えて、

生きていかなきゃいけない。」







夢月「…そうなの？」





凛月「…うん。




有名になるっていうのは、そういうことでもあるの。」

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