検索窓
今日:3 hit、昨日:20 hit、合計:485,188 hit

51 容疑者 ページ6

今回の黒幕は遡行軍で間違いない。
例の案件と同様に犯人である彼女を唆し、彼を殺させたのだろう。

けれど、謎が一つ残る。
なぜ彼を早々に殺させた?

歴史の変動に何も関わりのない彼を殺しても、彼らの目的である歴史改変は果たされない。

相手を間違えた?
その言葉に上村さんの顔が浮かんだ。

まさか、彼が本来の目標?…いや、だったら端から彼を射殺すはず。
あの怪我からして、私が近くにいれば完治出来る。あわよくば死亡すればいい…としか考えていなさそうなのだが…

ならば、本当の目的とは何?


「…主?百面相になってるよ?」


声にハッとして頭を上げれば、心配そうに顔を覗き込んでくる清光。
どうやら、歩いて迎えに来てくれたみたいだ。


『…ちょっと考え事をね。』

「山姥切はなんだって?」

『……遡行軍を殲滅した。と』


私の言葉に目を見開き歩いていた足を止める彼。


「奴ら、潜伏してたの?」


静かに言う彼に振り返る。


『みたいね…』

「今回の事件も奴らが?」

『恐らく、裏で操っていたのは間違いなく』


間違いなく遡行軍の仕業。と言いかけた時、後からドレスの裾をちょいちょいと引っ張られた。
またコナン君かと思い、振り返ればやはり彼で


「Aお姉さん、殺人の容疑がかかってるよ?」

『…え?』


嬉しそうに口元を緩めている彼に、眉をひそめる。後から清光がズカズカと歩き出して、コナン君の身長に合わせて屈んで真っ黒い笑で彼の肩を鷲掴みする。
それに分かりやすく怯え出すコナン君。


「それ、どういう事?」

「ひっ…しょ、証拠が出てきたんだよっ」

『…証拠?拳銃が?』

「う、うん!そうだよ!」


なぜそれだけで私が犯人扱いされているんだ?
指紋でも検出されたのだろうか?
なんて思っていると、清光は更に肩に指を食い込ませる。


「へぇ〜……」

『…清光やめなさい。ネイル、剥がれちゃうわよ?』


その言葉に我に返ったのか、瞬時に立ちあがり自身の爪を見つめていた。


「とにかく、警部さんが早く来てくれって!」


私は彼に頷いて未だに爪を眺めている清光を引きずりながら、警部さんたちの元へと歩き出した。


「ああ、戻りましたか。」

『すみません…お手洗いが何処か分からなくなってしまって。』


なんて簡単に嘘を付けば、目の前の目暮警部は高木刑事から袋に入った拳銃を私に見せてきた。
その拳銃はサイレンサーが付いていた。

52 犯人→←50 黒幕



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (466 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1216人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年5月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。