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80 その眼差し ページ36

『調査期間は明日から展示終了までの二週間。話は以上です。解散』


バラバラと皆が立ち上がり始めたとき


「今回の任務は2017年の歴史改変を阻止すること。だが、そこには主自身の事も含まれているのであろう?」

『...三日月』


目の前にはいつものように穏やかな表情の三日月ではなく、真剣な眼差しで私を捉えた彼だった。他の皆もその言葉の真の意味に気付いたようで目を開いて私を見る。


「なぜ、過去の自分の警護はしない?もしや、またこの機に死のうなどと考えているのではあるまいな?」

「主?」

「...主様」


三日月の的を射た言葉に皆が泣きそうな顔を浮かべて私の返答を待っている。


『そうね...でも、あの四部隊の人員とあの規模を考えればこれが最善策。...ああ、そっか三日月は私の産まれた直後の私を見たんだっけ。』

「主、あの時既に遡行軍の襲撃を受けていたのではないか?」

『なぜそう思うの?』

「微かだが、奴らの気配を感じた。それに主の」

『大丈夫だよ三日月。私の両親は私を産む直前に死んでるし、小さいころから何かに守られているみたいだったから、遡行軍はそう簡単に手を出せないよ。昔、話したじゃない。』

「ああ、聞いたな。だが、聞くだけと見るとは随分違うものだ。...主、あれは異常だ。考えたほうが良いかもしれぬ。まぁ、爺の戯言だと捉えても構わんがな。」


考え直すといわれても、部隊を全て投入している現在でどうこうするだなんて出来やしない。けれど、三日月がここまで言うのならば赤子の時の私は異常だったのに違いない。
さてさて、どうしたものかと考えていると白い手が挙がった。

その方向をみれば、立ち上がるのは小烏丸だった。


「ならばこの父が行こう。何、我が子の悩みは我が悩みと同義よ。どうだ?主。この父に頼ってみては。」


確かに、彼一人ぐらいならば霊力に余力のある分飛ばすことは可能だ。それに、見る目なら三日月と同じかそれ以上...ここは頼んだほうがいいかもしれない。


『うん、お願いしようかな。』

「うむ、承った。」

『今度こそ、解散。』


溜息を一つついて、私も立ち上がると襖の微かな隙間から何かが覗いていてその正体を知ったとき、また一つ溜息が零れた。
早足にそれに近づいて襖を開き、しゃがんで目線を合わせる。


『どうしたの?部屋から抜け出て。』

「Aさんに聞きたいことがあるんだ。」


本日二度目の真剣な眼差しを向けられて笑って頷いた。

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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年5月5日 21時

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