７０ 後一歩 ページ25
「軒下の侵入者に向けて」
加州が指示すると、弓兵たちは可愛らしい笑顔のまま淡々と弓を引く。
そして、照準を合わせると軒下の人物は逃げようと動き出す。
「放て！！」
ビシッと手を前に出した瞬間放たれる矢。
だが、その矢は必中せずにいたらしい場所に突き刺さっていた。
しかし、彼らに姿を現した人物に加州は目を見開きギリギリと奥歯を噛む。
そう、侵入者はここにいるはずのない江戸川コナンだった。
「………は？なんでいるの？」
「…清光さん」
「気安く下の名前で呼ばないでくれる？」
当たらないと思っていた矢が当たったのだろうか、腕には痛々しく切られていて血がドクドクと流れ落ちている。
「え、誰？清光知り合いなの？」
この異様な空気に大和守が持ち前の明るい声色で、加州に問いかける。
だが、中々答えない加州に痺れをきらしているとある事に気付いた。
この少年、魂と体の大きさが可笑しいと。
そこでようやく大和守は加州の見せる尋常ならない殺気に合点する。
「君、誰？何の目的で本丸に侵入したの？」
「……」
大和守が問うが彼は答えない。
「へぇ、あの土地神こんなにあっさりと道を通すなんて契約が違うんじゃないの？」
徐に自身の刀装である石投兵を地面に叩きつける。
コナンの目の前には数人の兵士。
「これで答える気になった？」
「清光！」
「安定は黙ってて」
ジリジリと前に出る兵士にコナンもジリジリと後退する。
それを見ながら加州は質問を続ける。
「あんた、何処の神の加護でここに来たわけ？あの結界何重にもなってるから、半端な神じゃ通れないんだけど」
「何のこと？」
「とぼけるとかこの状況見て余裕じゃん」
「僕、本当に知らなくて！！」
「…そ。まぁいいや、これかわせたら話聞いてやるよ。」
加州が手を下に振り下ろせば発射される石たち。
それに叫んで止めようとする大和守…けれど、彼の静止の声は虚しく届かずコナンに向かって飛び出す。
彼は腕が痛むのか、血を流しすぎたのかその場から動けずにただ石を眺めていた。
ダメだ、避けられねぇ
そう思っていた時、目の前の石が一瞬にして大量の花びらとなって、コナンと加州たちの前に降り注いだ。
その光景に全員が驚いたが、加州が唇を噛み締めて叫ぶ
「なんでっ！！……主」
次にコナンの前に花びらが舞い始めたと思うと、その花びらの渦の中から姿を現したのは誰でもない、Aであった。
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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (
レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね！！そうします！！暖かいコメントもありがとうございます(´∇｀) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます！ (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年5月5日 21時
