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18 不審人物 ページ20

ここで肯定すれば、昨日の鶴たちのおかげで私は確実に怪しまれる。

それに対して否定すれば、子供には分からなくて大人には分かる職業を言わなければならない…。

ああ、どうしよう。どの道怪しまれる…完全に不審者に成り下がってしまう…と黙っていると


「無言は肯定の意味と捉えても構いませんか?」


先程の口調と打って変わって、厳しい口調で私に問いかける安室さん。

いやいやそれ以前に…私、何か怪しい素振りしたっけ?と再びグルグル頭の中で回る。

何故こんなにも二人は私の事を詮索するのだ?と疑問に思う。
確かに三日月たちが主と呼んでいたのは事実だが、そこまで気になるものだろうか?普段から言われ慣れてしまうと他人の反応が分からない…

そんな游肇な事を考えている間にも彼らは、私を凝視するのをやめない。
少しでも可笑しな素振りをしたら、心を見抜かれそうで変な汗が流れる。

政府の会議でもこんなに汗をかいた事無いのに…
どうすればいい…どうすれば逃げられる?

いつの間にか私の頭の中では逃げる事しか考えていなかった。


「Aお姉さん!」


痺れを切らしたのか、コナン君が声を上げる。
すると、私の鞄から携帯の着信音が流れ始める。
画面を見れば陣内の文字。

ナイスタイミング!!

初めて陣が救世主と感じた瞬間だった。


『……すみません、職場からなので出ても?』


コールボタンに押しそうな私を見て、二人は顔を見合わせて渋々了解した。


『もしもし。陣どうしたの?』


私の言葉に何故か驚いて目を見開き、顔を蒼白にさせる彼ら。
不思議に思っている中、向こうからはガヤガヤと人の声と陣の声が聞こえる。


「どうしたも何も、もう間もなく会議が始まります!今どこにいるんですか!?」


会議…そういえば今日は元の時代での政府の会議の招集がかかっていた事を思い出した。
……まぁ、多少遅れても立場上何も言われないのだが…はっきり言うと陣がうるさい。


『今は…ポアロという喫茶店……です。』


彼の物凄い剣幕に思わず敬語になってしまう。


「今すぐ迎えを向かわせますので乗ってください!!!」

『あ、あいあいさー…』


私のふざけた返事を聞くと、ブチッと音を立てて電話が切れた。
暫くその切れた画面を見つめていると、この二人から解放される口実ができて嬉しさのあまりに口元が緩む。

19 接触成功→←17 返済



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朧月(プロフ) - 名無しさん» 当時の私が設定で考えていた事は、この不死ノ少女が続編に行く前は、2017年生まれであっても現在の西暦は伏せていたためそのようにしました。なので、続編では初代がコナンに本当の歳を話して西暦は明らかになっています。 (2018年11月17日 12時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 年齢不詳なのに生まれた年が2017年の設定なんですね (2018年11月16日 23時) (レス) id: 29bc82e604 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - かなみさん» 初めまして!ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ミッテさん» 大好きと言って頂きありがとうございます!そうですね、二人は何でもかんでも組織の人間って考えるのを直すべきですよね笑 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 初めまして…このお話大好きです続きを楽しみにしてます。誤解が早く速やかに解けますように(笑) (2018年5月2日 15時) (レス) id: 48cf8ea98d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年4月15日 23時

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