14 通信 ページ16
大きなモニターにこの本丸担当である、陣内啓介殿が映り出た。
「ご無事で何よりです。A様。」
『ありがとうございます。陣内殿。』
「そんな堅苦しくなくていいですよ。いつも通りに陣とお呼びください。」
ここには俺しかいませんから。と笑顔で私に微笑む彼。
『それで、用件は?』
「はい、今回の任務とは関係の無い事ですが、これから開催される大阪城での演習の開会宣言、審神者育成校での講演会出演、審神者会議の出席、政府上層部会議の出席の依頼の話です。」
『はぁ…またまた多いわね。』
溜息を付いて、頭を抱える私に苦笑する陣と後ろでクスクス笑っている髭切。
初代というだけでこの扱いはなんなのだと日々思う
「そうですね…審神者会議は全3回の予定ですが、政府の会議となると全5回は覚悟して頂かないと。それに、育成校での講演会も今回は毎週お願いしたいと届いております。」
『…毎週は無理ね。』
「ですよね。」
せめて、月に2度まで。と伝えれば、そう伝えます。と何かにメモを取っている彼。
「それでは、詳しいスケジュールが分かり次第再びご連絡します。……何かありますか?」
『…お金を用意して欲しい』
「………………は?」
私の突拍子のない内容に彼は間抜けな声を上げた。
それを見て、盛大に吹き出した髭切は後ろで面白さのあまり伸びていた。
何やってるんだ全く…
「ええと…聞き間違えでしょうか?」
『お金を用意して欲しい』
「あ、聞き間違えじゃなかった……何かタチの悪い勧誘に」
『断じて違います。』
先程安室さんからポアロと書かれていた貰ったレシートを陣に見せると、彼は目ん玉が飛び出るほど驚いた顔をした。
「…………貴方にかかるストレスがここまでとは」
『なんで私が食べた事になってるの』
全てのことを説明すると、彼は頷きながら手元のメモ帳にその金額をメモをした。
「明日までに必ずこの額を用意しましょう。」
『お願いします…』
「まぁ、A様の講座から下ろすだけなんですけどね。」
『それでもいいから…お願いします。』
彼は、承りました。と言葉を残して通信を切った。
これからのスケジュールを聞いただけでめんどくさい。と思っている中、ふと髭切の方を見ると未だに腹を抱えてプルプルと震えながら笑うのを耐えていた。
『……ツボ浅いの忘れていたわ。』
これは膝丸を呼ばないと駄目かなぁと溜息が溢れた。
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朧月(プロフ) - 名無しさん» 当時の私が設定で考えていた事は、この不死ノ少女が続編に行く前は、2017年生まれであっても現在の西暦は伏せていたためそのようにしました。なので、続編では初代がコナンに本当の歳を話して西暦は明らかになっています。 (2018年11月17日 12時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 年齢不詳なのに生まれた年が2017年の設定なんですね (2018年11月16日 23時) (レス) id: 29bc82e604 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - かなみさん» 初めまして!ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ミッテさん» 大好きと言って頂きありがとうございます!そうですね、二人は何でもかんでも組織の人間って考えるのを直すべきですよね笑 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 初めまして…このお話大好きです続きを楽しみにしてます。誤解が早く速やかに解けますように(笑) (2018年5月2日 15時) (レス) id: 48cf8ea98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年4月15日 23時