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「言わないと、後ろの人間死んじゃうぜ？」
『っ……A…です』
少女の名前を聞いた男は、嬉しそうに「ふふふっ」と笑うと立ち上がって扇子を口元に当てた。
「そっかそっか〜、Aちゃんかぁ〜。楽しみだなぁ」
そう言い残して男は、一瞬で姿を消した。
緊張感から解放されて、再び腰を抜かして地面に座り込む少女。
その後ろでは、女性が「この、大馬鹿者！！」と声を荒げた。
「なぜ私を庇った！私は剣士だ！死ぬことなど怖くない！」
『だ、だって…お姉さんが助けてくれたのに、お礼も言えないし、それに…死んでほしくなかった』
「ごめんなさい」と言いながら大泣きをする少女に、女性はポカンと口を開けた。
その姿に負けた女性は、呼吸で傷口を塞ぎながら少女を抱きしめて頭をポンポンと撫でる。
「すまない。悪かったな。助けてくれてありがとう」
女性は少女を抱きしめながら「この子は家に帰す訳にはいかない」と悲しそうに頭を撫でていた。
「もう少し私が早く到着して、この子を保護していればこんな目に逢うはずがなかったのに……すまない。すまない」と女性は心の中で何度も何度も許しを乞い続けた。
ようやく泣き止んだ少女の肩に両手を置き、眉を下げた女性は意を消して少女に言う。
「お前が家族の元へ帰れば、あいつは必ずお前を追って家族を皆殺しにするだろう」
少女は、分かっていると言いたげな瞳を向け、コクリと一回頷いた。
「私と来なさい。そうすれば、お前を守ってあげられる」
『…なら、お姉さんがやってたあれ、私にも教えて』
「……分かった。では、今から私の事は師範と呼びなさい」
『はい、師範』
その後、女性___否、桜柱 佑伊京雫は少女を連れ帰ると、次の日から稽古を始めた。
師範から、鬼の事、鬼殺隊の事、選抜試験がある事など様々な事を学んだ。そして、あの鬼＿＿十二鬼月 上弦 弐 童磨のことも。
童磨との鬼事があるが故に、本当の家へ帰る事を許されない少女は家族の事を心配しながらも、鍛錬に励み、僅か１年の修行で選抜試験を合格し、見事に鬼殺隊の仲間入りを果たしたのだった。
その２年後に十二鬼月 下弦 参を討った少女は桜柱を師範から継ぐこととなる。
これは、壮絶な運命を背負わされ、竈門の姓を捨て、佑伊京Aとして生きていく一人の少女の物語である。
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ゆり - え！待って、私も桜柱なんだけど❗しかも、桜の呼吸一緒です (2021年11月11日 20時) (
レス) @page1 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
＊舞夜＊(プロフ) - 面白かったです！ �，任�願いします！！ (2021年10月4日 18時) (レス) @page49 id: a571a62cd6 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 安仙任さん» こちらこそ、引き続き読んでいただきありがとうございます！ (2021年1月7日 15時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - 続きを書いてくれてありがとうございます。これからも応援しています！私は�，�いいです！ (2021年1月7日 13時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
蕨 - �，任茲蹐靴�お願いします (2021年1月7日 11時) (レス) id: e40d74d461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2020年4月7日 16時
