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「油断したなぁ。この感じ、もしかして柱かな？」
「そういう貴様は上弦……しかも弐か。相手にとって不足はないな」
「ふーん、随分余裕だね」
その男は、再生した腕で懐から扇子を取り出すと女性は目にも止まらない速さで男に切りかかった。
けれど、物怖じしない様子で刃をかわすと笑みを浮かべる男。
「呼吸も使わないでこの速さか。結構な手練れなんだ」
すると、扇子を閉じて少女を指すが、女性は男から視線を外すことはなかった。
少女はビクッと体を震わせる。
「俺はさ、あの可哀そうな子を食べて幸せにしてあげるんだ。だから、邪魔しないでくれる？」
「断る」
「じゃあまずは、君を黙らすことにしようかな」
男が再び扇子を広げると、外気温が何度か下がったような感覚に陥った。
「＿＿＿血鬼術 粉凍り」
どこからともなく湧き出てきた霧に、少女は後ろに後退する。
しかし、女性は刀を構え男を睨みつける。
「＿＿＿桜の呼吸 伍ノ型 百花繚乱」
その女性が、回転し始めたと思うと、その霧は一気に霧散し始める。
そして、最後に刀で一払いすれば視界がクリアになり男の金色の扇子が見えた。
「＿＿＿桜の呼吸 捌ノ型 八重桜 八重咲き」
少女は驚きを隠せなかった。
冬を迎えるというこの季節に、目の前で桜が舞っているのだ。
しかも、女性の姿が８人いるかのように見えた。
「一重、二重、三重、四重……」
８人が連続で男に攻撃を繰り出していく。
舞うように、軽やかに刀を振るう姿に少女は父の神楽舞を思い出す。
「六重！」
６人目の刃が届きそうな瞬間、男は扇をもう一つ懐から取り出した。
「＿＿＿血鬼術 冬ざれ氷柱」
突如、少女の頭上に現れた複数の氷柱に女性は目を見開いた。
少女は、目をぎゅっと瞑り頭を抱えてうずくまった。
しかし、痛みは襲って来ず、恐る恐る目を開ければ、頬に垂れる生暖かい何かを少女は手で拭う。
ぬめっとしたそれが、血だと気づいたのは、目の前に広がる桜の羽織が真っ赤に染まっているのを知った時だった。
「一つ、逃したかっ……」
ゴホッと血を吐き出した女性は、片膝を地面に着きながらも男を睨みつける。
その光景を眺めて、口角を上げる男に少女は腰を抜かして座り込んだ。
「さあ、可哀そうな君を食べてあげよう」
苦しそうに息が上がっているの目の前の女性が、もう動けないのだと少女は察して震える口を開いた。
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ゆり - え！待って、私も桜柱なんだけど❗しかも、桜の呼吸一緒です (2021年11月11日 20時) (
レス) @page1 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
＊舞夜＊(プロフ) - 面白かったです！ �，任�願いします！！ (2021年10月4日 18時) (レス) @page49 id: a571a62cd6 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 安仙任さん» こちらこそ、引き続き読んでいただきありがとうございます！ (2021年1月7日 15時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - 続きを書いてくれてありがとうございます。これからも応援しています！私は�，�いいです！ (2021年1月7日 13時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
蕨 - �，任茲蹐靴�お願いします (2021年1月7日 11時) (レス) id: e40d74d461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2020年4月7日 16時
