167 合理的判断 ページ38
何をしているんだと不思議そうに思うコナンに対して、頭に乗る
次の瞬間、一斉にスプリンクラーが作動し始め警報が鳴り渡る。
そして、大勢の人達が火事だ!と叫んで非常口や出入口へと走り出す。
「Aさん!何をしてっ!?」
『これが最善策よ。関係ない人を巻き込まない為のね。』
突然の事に驚いたコナンが、声を荒らげるが、それを気にもとめない顔でコナンを見るA。
濡れて重くなった前髪をAはかきあげる。
そして、顕になった金の瞳にコナンは目を見開く。
『ああ、君はこの瞳を見るのは初めてだったわね。』
うん。と頷くコナン。彼女の瞳で先程の威勢はどこかへ飛んでいってしまったのか、惚けそうな彼。
微笑みかけていたAは、彼の頭上の鳥に真剣な眼差しを向けた。
『…彼をよろしくお願いします。』
「わかってる。任せよ。」
翼を広げた白銀は、Aに返事をすると目を閉じ、ふん。と鼻で笑った。
頭を下げた彼女は、早足で中庭へと向かいだす。
彼は私が目的だと言った。
だけど、具体的には?
私を殺す事が本当のこと?
私の考えの裏の裏まで読んできた。なら、もっと他に目的があっても可笑しくない。
人をかき分けて進む中、Aの中の疑問は膨れ上がった。
私をおびき寄せるために、怨霊や呪を用意したというのなら、それだけではないだろう。
絶対に裏があるはず。
そう思った彼女は、ようやく中庭に到着する。
パンッと両手を合わせ、念を送ると目の前に各隊長の四振りが姿を現す。
『皆、集まりましたね。』
「…おいおい、びちょ濡れじゃねぇか。」
「がはははは!この時期に水浴びはまだ早いのではないか?主。」
「もー!だから一人じゃダメだって言ったじゃん!」
「はっはっはっは。良いではないか……して主、我らを呼んだのは何か?」
和泉守、岩融、加州、三日月が順に話す。
『私のびちょ濡れはいいの。それよりも…先程、陸也と接触しました。』
その言葉に全員が目を見開いた。
加州は唇を噛み、三日月は静かに瞳が凍てついてゆく。
和泉守、岩融はどこか切ない表情を見せ、目線を地面へと外した。
加州と三日月はともかく、和泉守と岩融にとっては元主。思う所もあるのだろう。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (5月1日 3時) (レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます!!!! (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました!ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます!お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました(^ν^)ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです!いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年9月29日 22時