Ep.180_第１回順位発表会�� ページ35
・
「まあ、緊張するってことはそれだけ自分に期待してるってことだからいい事なんじゃないかな」
スタッフさんから入場の合図がされ、事務所毎にどんどん会場に向かっていく。
さっきまで笑っていたヨハンも「緊張戻ってきました……」と引きつった笑顔を見せてきた。そんな緊張が少しでもマシになるようにと、ヨハンの手を取って両手でぐにぐにと揉んだ。ヨハンは子供扱いしないでくださいよと口を尖らせているものの、目を閉じて気持ちよさそうにしていた。
ﾖﾊﾝ「期待、ですか？」
「ヨハニが気になってるには1位になれるかどうかでしょ？ 」
ﾖﾊﾝ「えっ、そんなこと……。いや、まあ、そうですけど……」
どう答えて良いかわからない様子のヨハンに思わずくすりと笑う。
「1位になる自分が想像できるからこそ、ヨハニは緊張してるんだよ。
……ヨハニ以外のみんなもそう。デビューする自分が想像できるから、今脱落しないか不安になって緊張してる。それが普通だよ」
ﾖﾊﾝ「そう、なのかな……」
ヨハン不思議そうに呟いたが、しばらくすると「じゃあ、緊張するのも悪くないですね」とはにかんだ。
ﾖﾊﾝ「……じゃあ、Aヒョンは1位の自分が想像できないんですか？ 自分に期待してないんですか？」
率直すぎる質問に思わず言葉が詰まった。
確かに私の言葉から考えると緊張していない私はそういうことになってしまう。少し軽率だったなと思いながら乾いた笑いを零した。
「確かに、1位の席に座ってる自分は想像できないなあ。自分に全く期待してないわけではないんだけど。
……でも、もう大人だからさ、出来ることと出来ないことがなんとなく解っちゃうんだよね」
ﾖﾊﾝ「大人って、2歳しか変わらないじゃないですか」
不満げなヨハンにごめんねと笑うと「別に謝って欲しかったわけじゃないですけど」と文句を言われた。
(1位なんて考えたこともなかったな。私はただ……)
＿ ＿『いっそ、今脱落しても良いくらい宣伝になったよな』
ふと、数日前にした会話を思い出した。
＿ ＿『なんだかんだおまえがいないと事務所が困るからなあ。まあ、おまえの好きで良いんだけど！』
冗談っぽく笑っている先輩は、私と同じように楽譜を見つめていた。
(私が緊張する資格なんてあるのかな)
先輩の言葉を聞くことしかできなかった私なんて。
そんな考えを胸に抱きながらも、「ほら、出番だよ！」とヨハンの背中を叩いて見送った。
・
Ep.181_第１回順位発表会��→←Ep.179_第１回順位発表会��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もち - 防弾少年団がまだ、( ﾟ∀ ﾟ)ﾊｯ！もしかして防弾少年団は夢主のボス？！ (2020年9月23日 6時) (
レス) id: 593f0591d1 (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - よ だ かさん» コメントありがとうございます。展開上沢山だすことは難しいかもしれませんが、ちょくちょく出していきたいなあって思ってます！これからもよろしくお願いいたします(^ ^) (2020年5月30日 16時) (レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
よ だ か(プロフ) - コメント失礼します あんスタキャラがだんだん出て来てくれて嬉しいです!!もしよろしければあんスタキャラとの絡みをもっと見てみたいです! 次の更新も楽しみに待ってます！ (2020年5月29日 17時) (レス) id: c6fcdfc168 (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - 零奈さん» コメントありがとうございます！私の作品がきっかけでプエ句を知って頂いたのはとても嬉しいです！更新遅めですがこれからも読んで頂けると嬉しいです！ (2020年5月29日 16時) (レス) id: ce8ce21ff5 (このIDを非表示/違反報告)
零奈(プロフ) - はじめまして、実はこの小説でプエクを知りました…！お陰様で今K-POP沼にどっぷりです笑笑これからも応援しています。 (2020年5月15日 23時) (レス) id: 46a24024b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カナル式 | 作成日時：2020年3月25日 21時
