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久部Side




「はぁぁぁーーー。今日からまた地獄が始まる…………」





朝から大きなため息をついて、机に突っ伏す東海林さん。


それを見て隣で笑うミコトさん。





「なんか東海林って休み明け、絶対それ言うよね」


「そりゃ言うよー。残業に休み少ないし」




そんな彼女を僕とミコトさんは苦笑いで微笑み返す。


中堂さんは相変わらずカップラーメンを食べている。


ツンとした態度は変わらないが、例の糀谷夕希子さんの事件が解決してから、少し丸くなったほうだ。


そこへバタバタと所長である神倉さんが入ってくる。





「資料資料………って何朝から元気ないんですか!今日は忙しいというのに」


「いつも忙しいじゃないですかー」


「今日はちょっと込み入った事情があるんです。このラボに新しい法医学者の先生が来るんですよ」









「「「……………え?」」」









「やったーー!少しはこの忙しさから開放される!」


「どんな人なんだろう」






口々に感想を述べる二人。


中堂さんは興味なさそうだ。




でも、なぜか僕は胸騒ぎがした。



なんだろう。



とても嫌なことが起こる気がする…………。







「予定ではもうすぐ着くはずなんですが…………あ、噂をすれば」







カツンと靴の音を響かせ、


無表情で入ってきたその人は、


ひどく美しく、


同時に鼓動が跳ね上がった。






それはただその姿に見惚れてなのか、


それとも悪いことが起きる前兆か。







「…………はじめまして。今日からラボで働く、AAです」







そう名乗る彼女は、抑揚のない声でそう言った。


光を失った瞳と目があう。









……………僕はその時のことを忘れない。




まるで闇に引きずり込まれるような恐怖に鳥肌が立ったことを。

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麻衣(プロフ) - 六郎落ちが良かったです! (2021年11月16日 7時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ラミンさん» 返信遅くなってしまってすみませんm(_ _)mコメント嬉しいです!一応中堂さんオチにする予定です (2018年12月16日 10時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
ラミン(プロフ) - 中堂オチがいいです・・・ (2018年12月8日 20時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月2日 10時

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