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私は目下上京中で、銀座裏の宿舎でこの原稿を書きはじめる数時間前は、銀座のルパンという酒場で太宰治、坂口安吾の二人と酒を飲んでいた__

というより、太宰治はビールを飲み、坂口安吾はウイスキーを飲み、私は今夜この原稿のために徹夜のカンヅメになるので、珈琲を飲んでいた。


話がたまたま某というハイカラな小説家のことに及び、彼は小説を女を口説くための道具にしているが、

「あいつはばかだよ」

と坂口安吾が言うと、太宰治は

「われわれの小説は女を口説く道具にしたくっても出来ないじゃないか、われわれのような小説を書いていると、女が気味悪がって、口説いてもシュッパイするのは当り前だよ」

と津軽言葉で言った。


__織田作之助『可能性の文学』


*執筆状態:更新停止中

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作者名:皇帝ペンギンM← | 作成日時:2018年10月16日 22時

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