19話 ページ20
甘いシロップを手に取り、斜めに傾け、丸を描くように動かす。
細い線のようにして出てくるシロップは光を反射してキラキラしている。
「この前、炭治郎たちと会ったんだよね?」
切り取ったパンケーキを口に含んで、美味しいと言うように彼女、カナヲは微笑んだ。
『うん、思ってたよりもいい子たちすぎた。パンも試作品段階でも美味しいものが多かったし』
「炭治郎の作ったパンだからね」
少し胸を張るように言うカナヲ。昔のカナヲとは随分変わったなぁ。
『やっぱり彼氏のこと褒められたらカナヲもそういう反応するんだね』
「か、彼氏じゃない……」
ガチャン
「A…?」
ナイフとフォークを落とすほどには驚いた。
うそっ……付き合ってなかったの!?
『ちょっ…え?でも、昔から言ってた好きな人は炭治郎くんのことなんだよね?』
「…うん」
頬を染めるカナヲ。
よかった…これは間違ってなかった。
「ずっと会えなかったから、善逸から教えて貰って嬉しかった」
……私が好きな人いるって話を聞いたのは、小学校高学年の頃だった筈…それまで一度も会っていなかった、、、
『カナヲと炭治郎くんが出会ったのはいつ?』
「16の時だった」
カナヲも記憶がある…?
待って…とりあえず整理しよう。
善逸はもちろん、炭治郎くんにも、禰豆子ちゃんにも前世の記憶があることは分かってる。
あちらが私がある事知っているかは知らないけど。
そして、カナヲにも記憶が……
それに、あの3人と関係があるなら、カナヲも鬼狩り?
でも、だからか、
炭治郎くんの早く出会っていたらの発言は、カナヲちゃんと出会う前だったらという意味なんだろう。
『ねぇ、カナヲ。炭治郎くんに会いにいかないの?』
「でも、炭治郎にももう好い人がいるかもしれないし…」
『それはないと思うよ。最近1度しか会っただけの私からでも彼は真面目で、一途にしか見えなかったから』
カナヲは恥ずかしそうに目を泳がせた。
「Aも、大丈夫だよ」
『え?』
「彼はあの日…あなたの傍からなかなか離れなかったから、あの日の分嫌がるほど離れる気はないと思う」
『どういう…?』
「ごめん、そろそろ帰らないと…しのぶ姉さんが待ってるの。またね」
『あ、うん、わかった。またね』
カナヲの言った彼は炭治郎くんのこと…?それとも……善逸?
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myu♪(プロフ) - Decemberさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!友達にこうなったらどう思うかなど聞いたりして、感情表現が分かりやすくできるよう頑張ったのでそう言ってもらえて本当に嬉しいです! (2020年2月20日 10時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
myu♪(プロフ) - スヴィエトゥさん» コメントありがとうございます!嬉しいです! (2020年2月20日 10時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
December(プロフ) - このお話の設定めっちゃ素敵ですね(;_;)主人公に感情移入しやすくて、とても、面白かったです!素敵な作品ありがとうございます!! (2020年2月19日 22時) (レス) id: 8a83f8152c (このIDを非表示/違反報告)
スヴィエトゥ(プロフ) - 面白かったです (2020年2月19日 21時) (レス) id: f033e98427 (このIDを非表示/違反報告)
myu♪(プロフ) - 人形師さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月16日 13時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:me | 作成日時:2020年1月29日 0時